クロロフィル

光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質。葉緑素(ようりょくそ)ともいう。

4つのピロールが環を巻いた構造であるテトラピロールに、フィトール (phytol) と呼ばれる長鎖アルコールがエステル結合した基本構造をもつ。環構造や置換基が異なる数種類が知られ、ひとつの生物が複数種類をもつことも珍しくない。植物では葉緑体のチラコイドに多く存在する。

天然に存在するものは一般にマグネシウムがテトラピロール環中心に配位した構造をもつ。マグネシウム以外では、亜鉛が配位した例が紅色光合成細菌 Acidiphilium rubrum において報告されている。金属がはずれ、2つの水素で置換された物質はフェオフィチンと呼ばれる。抽出されたクロロフィルでは、化学反応によって中心元素を人工的に置換することができる。特にが配位したものはマグネシウムのものよりも光や酸に対して安定であり、化粧品や食品への添加物として利用される。

2010年にクロロフィルf の発見が報告された。NMR、質量分析法等のデータから構造式は C55H70O6N4Mg だと考えられている。波長が長くエネルギーの低い遠赤色光を吸収して、より高いエネルギーを必要とするクロロフィルaにエネルギーを渡すことが確認されている。

植物細胞に含まれる光合成色素。a〜dの4種が知られている。たんぱく質と数種の複合体をつくって葉緑体(クロロプラスト)のチラコイド膜に埋め込まれていて、光エネルギーを吸収し、自由エネルギーに変換する働きをもつ。紅色細菌などの光合成細菌にはバクテリオクロロフィルがあるが、緑色のクロロフィルに対してこちらは赤紫色に近い。

(株)Seven-Heart みやなが整骨院の用語集