宮崎

南国宮崎:神の国
近世国名・藩名:日向(ひゅうが)

  宮崎県は太平洋に面し,三方を山に囲まれ,豊かな自然と温暖な気候に恵まれまさに日向国(ひゅうがのくに)である。日州,また向州と呼ばれることもある。
 宮崎の気候風土は,「高温多雨晴」(南海型気候区)と「台風」の通り道という「自然の実り」と「災害」という,二律背反性を持ち合わせている。
 宮崎県の面積は,7,734平方キロ,2009(平成21年)12月1日現在の人口は,1,132,225人(男:531,209人 女:601,016人),世帯数:467,273世帯である。
 
●県庁所在地-宮崎市

 宮崎市(人口37万104人,世帯数158,818世帯-2010年1月現在)は,1998(平成10)年4月1日に,政令指定都市に次ぐ事務権限をもつ中核市に移行した。
 宮崎市は九州南東部にあり,地形は北部から西部にかけて丘陵地が連なり,南部は鰐塚山系,双石山系の山地で占められている。市内の北端には一ツ瀬川が,中央部には大淀川,清武川,加江田川などが東流し,広大な宮崎平野を形成して日向灘に注いでいます。東部の海岸は白砂青松の砂浜が続きますが,市南部に位置する青島以南は,山地が海岸まで迫り,複雑な海岸線を呈している。
 
●県民性

 県民気質を象徴する言葉に「てげてげ」「よだき」がある。指摘されても,あまり気にする様子もない,ことを意味する。宮崎県は,土地は豊かで気候は温暖という,恵まれた風土である。土地や物価が安く,暮らしやすいだけでなく,その県民性のおおらかさ,優しさには定評がある。こうしたことから,「いい加減に済ます」「苦労はしたくない」「競争心に欠ける」県民気質ともいわれる。

 宮崎県は,天照大神(アマテラスオオミカミ)と素戔男命 (スサノオノミコト)の天孫降臨伝説に代表される歴史と伝統文化を有する。
 また,宮崎は豊臣秀吉の時代に所領が決まって以来,大きな戦乱も対立もなく,比較的平穏な時代を長く過ごした。
 こうした歴史風土を反映して,「一生で一度しか嘘をつけないおおらかで正直な農業型」ともたとえられるよう,おっとりした性格,温和な性格の人が多い。人とのつきあいは親密,信頼感が強い。反面,お人好しとの評もある。また,宗教心があついのも宮崎県民の特徴である。

  なお,隣県の鹿児島県は,「男尊女卑」の風潮がいまも続くが,宮崎県では,こうした差別感は薄い。

●縁とゆかり-山形県米沢-上杉鷹山

 出羽国米沢藩の第9代藩主,上杉鷹山(ようざん)といえば,江戸時代を代表する名君として知られる。日向国高鍋藩主の二男に生まれた鷹山は,上杉家の養子となった。当時の米沢薄は,幕府に領地返納を願い出る寸前の惨状だった。農村の疲弊をよそに,藩祖謙信以来の家柄を誇り,格式にこだわる家臣の多くは,鷹山の進めようとする改革にことごとく反発する。鷹山は,倹約令を発令するにあたって,自ら一汁一菜に甘んじて範を示した。

●県庁所在地-宮崎市

 1924(大正13)年市政が施行された。人口約30万6000人,面積は286・96平方キロ メートル,市の花は「はなしょうぶ」,年間平均気温は17度。

●宮崎の方言

 宮崎県では,北部と南部,山地と海岸では言葉遣いに差がある。おおよそ北部は豊後,西部は肥後,南部は薩摩の言葉の影響が大きく,諸県地方はおおむね鹿児島藩だったことから薩摩の方言とほとんど同じである。

『ヨダキイ』 ⇒困った。厄介な。いやだ。したくない。
 ・よだきごろ(怠け者),よだきぼ(怠け者,無精者)。
      「こんげ暑いと何をすっともヨダキ」
      「使いに行くとがヨダキイもんじゃき宿題のなん『のちゅうかり』⇒いやな。困った。厄介な。
      「ヨダキイ奴ぢゃ」「ヨダキイ相手ぢゃ」
『えずい』⇒〔目にごみが入ったりして〕気持ちが悪い

 宮崎弁は,広く宮崎県で使われている豊日方言と,県南西部の都城市,えびの市,小林市付近(諸県郡)一帯で使われている薩隅方言の2つに大別される。
 城市付近はかつて薩摩藩島津氏の統治下にあったことによる。豊日方言に分類される宮崎弁の中でも,県北(延岡市周辺),県央(宮崎市付近),県南(日南市付近)で使われている方言には語彙・イントネーションの点で若干の違いがある。

●ランキング・ワースト&ベスト

 全国一高い宮崎県への愛着
 NHK県民意識調査-1996(平成8)年から,郷土愛について次の点が読み取れる
・「この県が好きだ」という人が全国で最も多く,「県人だと思う」人も全国3位で,郷土への愛着が極めて強い。
・土地のことばがすきだ」(2位)
・地元の面倒をよく見る政治家をもり立てたい」(1位)
・地元の行事や祭りには積極的に参加したい」(5位)など,地元に対する意識が強いのも大きな特徴である。
・今住んでいる所は住み良い所だ」と思っている人も(2位)。
 
  宮崎県では焼酎が,愛飲されている。一人当たりの焼酎消費数量は02年度には23.8リットルで全国1位,03年度には24.6リットル,04年度には24.7リットルで鹿児島県に続いて全国2位。また,04年の出荷額(639億円),事業所数(33事業所)では,全国4位である。

 鹿児島県とならぶ焼酎大国とはいえ,鹿児島のように,芋焼酎が大半というわけではない。芋のほかにも,麦やそば,米,かぼちゃ,よもぎ,とうもろこしなどを原料に,焼酎がつくられている。
 芋焼酎づくりが特にさかんなのは,鹿児島県に近い南部だ。宮崎県の南部は鹿児島同様,さつま芋の名産地で,かつて薩摩藩に支配されていたという歴史をもつ。薩摩藩を支配していた島津氏が焼酎づくりを奨励したため,鹿
児島とともに宮崎南部でも芋焼酎づくりが広がったのだ。
 鹿児島では芋焼酎のアルコール度数は25度が好まれ,お湯割りで飲むのが鹿児島流。対して宮崎は少し低めの20度が主流で,ストレートで飲んだり,薄めずにそのまま爛にして飲むのが宮崎流である。

 食料品関連で,全国に占める割合の高い品目としては,ブロイラー加工品(解体品を含む)が514億円と全国2位,部分肉・冷凍肉(ブロイラーを除く)が502億円と同3位,ピーマンの生産量は,28,047t(宮崎県「05年産野菜生産出荷統計」,作付け面積322.9ヘクタール)で,全国1位。

 宮崎県の葉タバコの作付け面積は2170haで全国第1位。以下熊本,岩手,鹿児島,青森の順。


・ 「そのまんま東知事の効果」492億円 就任1年,関大教授ら試算


 関西大大学院の宮本勝浩教授(数理経済学)らが,東国原英夫知事が就任してから1年間の宮崎県の経済効果は約492億円に上るとの試算を公表した。試算には含めなかった指標も加算すると経済効果は1000億円に上るという。
 試算では,東国原知事が就任した07年1月23日から1年間の,県内の代表的な観光地の観光客数やマンゴーなど特産物の売り上げ,誘致した企業の投資額-の3点から経済効果を推定。

 観光客は前年比で20.5%増加していたほか,知事の似顔絵を描いたグッズなどを扱う「県物産振興センター」の売り上げが約8億円もアップしていた。宮本教授は「「入手できていない数字も推定した上で試算すると,1000億円程度の経済効果が認められる」としている。
 
・綾町周辺は日本一の照葉樹林帯
 宮崎の奥座敷といわれる綾町周辺は日本一の照葉樹林の自然があり,水面からの高さ142m,歩道吊り橋としては世界一の綾の照葉大吊橋がある。

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