ミトコンドリア

ミトコンドリアは真核生物の細胞小器官である。二重の生体膜からなり、独自のDNAを持ち、分裂、増殖する。mtDNAはATP合成以外の生命現象にも関与するほか、酸素呼吸の場として知られている。また、細胞のアポトーシスにおいても重要な役割を担っている。
ミトコンドリアの主な働きは、食べ物から得られる栄養素と呼吸から得られる酸素を原料にエネルギーを作り出す。
人間が、動いたり、考えたり、はたまた恋をしたりすることができるのは、ひとえにエネルギーがあるからだ。そのエネルギーをつくっているのが、「ミトコンドリア」と呼ばれる細胞内小器官である。

「人間を含めた高等生物は、もともとは遺伝子をつくる生物とエネルギーをつくる生物の2つが合体して生まれています。そのエネルギーをつくる生物が、現在のミトコンドリアです。ミトコンドリアがなければ、間違いなくわたしたち人間は存在していないでしょう」

そう話すのは、日本医科大学教授の太田成男。30年以上にわたってミトコンドリアと健康の関係を追い続けてきた、ミトコンドリア研究の第一人者だ。

ミトコンドリアが増えるほどカラダは元気になる、と太田は続ける。「極端に言えば、病気とは『ミトコンドリアが足りなくなった状態』のことをいいます。身体には悪くなったところを治す力がもともと備わっていますが、治すためにはエネルギーが必要。エネルギーが十分にあれば、すなわちミトコンドリアが十分にあれば、病気になっても必ず健康になることができるのです」

では、ミトコンドリアを増やすにはどうしたらいいのだろう? 太田が教えてくれた3つの方法は、とってもシンプルだ。

「エネルギーが足りない、と細胞が感じると、ミトコンドリアは増えるようにできています。そのためには、ひとつは身体に寒さを感じさせること。ひとつは運動によってエネルギーを消費すること。そしてカロリー制限をすること。強めの運動を心がける、あるいは週に1回1食抜くといった習慣を続けるだけでも、2週間でミトコンドリアは増えていく。鍛えれば鍛えるほど、ミトコンドリアは増えてくれるし活性も出るのです」(ちなみに太田自身のミトコンドリア増殖法は社交ダンスだそうだ)

健康も病気も、「ミトコンドリア」というひとつのレンズを通して説明をしてしまう太田の考えは、まさに目から鱗だった。

「すべての細胞に存在するミトコンドリアの研究は、全身を対象とするものです」と太田は言う。「ミトコンドリアを考えることで、脳や心臓といった身体の部位を一つひとつ切り離すのではなく、総合的にとらえる視点を得ることができるのです」

(株)Seven-Heart みやなが整骨院の用語集