肛門専門科_京都市

内痔核に対して痔核根治術をした場合、心配ない出血と止血しなければならない出血があります。

肛門の病気の三大疾患は、内痔核、痔瘻、裂肛です。三大疾患の中で一番多いのが内痔核です。
内痔核はその病気の程度で手術が必要な場合があります。排便時に内痔核が肛門の外に出てきて、そのままでは戻らず、押し込まなければならないもの(第Ⅲ度の内痔核)や、常に内痔核が肛門の外に出ていて押し込むことが出来ない内痔核(第Ⅳ度の内痔核)は手術が必要になります。
手術を行った時に、肛門科でどうしても避けられないことに術後の出血があります。
出血のなかにも、心配のない、そのままでもいい出血と、どうしてももう一度出血を止めなければならない出血があります。
そのどうしても止めなければならない出血、早期出血と晩期出血があります。

内痔核に対して痔核根治術を行った時、どうしても出血が伴います。

内痔核に対して痔核根治術を行うと、どうしても傷が出来るので出血を伴います。
でも、そのままにしていて心配のない出血と、どうしてももう一度出血を止めなければならない出血があります。
手術をした後、どうしても傷が出来るので出血があります。手術して最初の1週間は傷が治っていく準備をしているので、あまり傷の大きさはかわりません。傷があるのでどうしても血が着きます。でも傷にバンドエイドを貼ると血がつくのと同じで心配はありません。術後1週間を過ぎて2週間たつとだいたい80%治ってきます。でも、傷が完全に治っていないので、当ててるものに血が着くことがあります。でもその出血の量はぐっと減ってきます。2週間過ぎて3週間たつと傷はほぼ治ります。傷がふさがってしまうと、もう出血はしなくなります。
でも手術をした後、どうしても止血しなければならない出血に、早期出血と晩期出血があります。

術後の早期出血

内痔核に対して痔核根治術を行ったあと、24時間以内に止血をしなければならない出血を早期出血と言います。
早期出血は術後24時間以内におきますが、大抵の場合は術後3時間までに起きてきます。
出血の場所に、肛門の外側にできる傷(ドレナージ創)からの出血と、内痔核の根元の動脈を縛った部分からの出血の2箇所あります。
内痔核の根元の動脈を縛ったところからの出血の場合は、動脈からの出血になるため、もう一度糸で縛って止血する必要があります。
肛門の外側のドレナージ創からの出血の場合は凝固止血といって出血している部分を焼くことで、わりと容易に止血することが出来ます。
でもいずれも止血する必要があります。

術後の晩期出血

晩期出血は、内痔核に対して痔核根治術を行ったあと、7日から10日頃に起きる出血です。渡邉医院(京都)で、今まで手術を行った患者さんの約1%に起きています。
晩期出血は、ほとんどの場合は内痔核の根元の動脈を縛ったところからの出血です。
もう一度、出血している部分を糸で縛って止血する必要があります。

内痔核の根元の動脈を縛った部分からの出血は、下痢状の出血になります。

内痔核の根元の動脈を縛ったところからの出血は、肛門の奥からのしゅっけつなので、外にでてきません。出血した血は段々直腸の中にたまっていきます。直腸にある程度血がたまると便がしたくなります。トイレで排便してみると、下痢状の血の塊が、かなりの量ドドッと出てきます。こういった下痢状の出血が頻回になります。
ただこの出血は排便したあと、こすれてから出血します。普通に便がでたあとからの出血なので、排便後また便がしたくなって出した時にたまっている血の塊が下痢状に出てきます。
こういった出血が起きた場合は出血している部分を糸で縛って止血する必要があります。
こういった、出血があるため、定期的な受診が必要になります。また、私たちもこういった出血が起きた場合は、直ぐに対応できるように、24時間の体制をとっています。
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医院情報

店舗名渡邉医院
住所 京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255
TEL075-441-4303
URLhttp://www.watanabe-arc.jp
営業時間【月~土 午前】9:00~12:00 【月・金 午後】17:00~18:00
営業日休診日 : 日曜日・祝祭日
紹介文肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。 お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。