肛門専門科_京都市

肛門が痒い!

「肛門が痒い!」という症状で診察に来られる患者さんがいます。
「痒くて眠れない。」とか、「お風呂に入ったら痒くなる。」。「お布団の中に入って温まると痒くなる。」などの症状を訴えられる患者さんがいます。痒いけれど、掻いたらだめだと思いながらも、我慢できずに掻いてしまう。掻いたことに罪悪感を感じてしまう。
肛門が痒いという症状はとてもつらい症状です。
痛みを我慢するはある程度頑張れても、痒いのを掻かずに我慢する。これはなかなかできることではありません。
 実は、私も肛門が痒くなる肛囲皮膚炎になったことがあります。
私は、小さいころから排便後、トイレットペーパーでゴシゴシ、これでもかと何回も強く拭いていました。私はこれが原因で肛囲皮膚炎になりました。軟膏をつけて、トイレットペーパーでゴシゴシ拭くのを気をつけたら、今では痒くなく、症状もぶり返していません。
肛門が痒いのはとてもつらい症状です。しっかり治してしまいましょう。
今回は、肛囲皮膚炎の原因の多いものを紹介します。自分に当てはまることがあれば、その原因を気を付けて、軟膏をつけて治しましょう。

肛門が痒くなる四つの主な原因

肛門が痒くなる原因には大きく四つあります。
1)入浴時に石鹸でタオルでゴシゴシ洗う。
まず一つ目は、入浴時に石鹸でタオルでゴシゴシ洗うことです。
どうしても清潔にしようと思う気持ちが強いと思います。でも石鹸でタオルでゴシゴシ洗うことで、皮膚も守っているバリヤーを壊してしまうことになります。また痒い時にごしごし洗うと、その時は気持ちがいいのですが、皮膚炎はさらに悪くなってしまいます。
気になるとは思いますが、お湯でサッと洗う程度にしておくことが大切です。意外と肛門は汚れない部分です。
2)排便後にトイレットペーパーでゴシゴシ拭く。
二つ目は、私が皮膚炎になった原因です。
排便後、やっぱりきれいにしようと思ってどうしてもトイレットペーパーで強く何回も拭いてしまうことがあります。
排便後にトイレットペーパーであまり強くゴシゴシ拭くことで、細かな傷を肛門につけることになります。また強く拭くことで、反対にすりこむことにもなります。またゴシゴシ拭くことで、汚れを広げてしまうことにもなります。あまり強く拭かないように気を付けてほしいです。なかなか理想的な便がでることは少ないと思いますが、理想的な便がすっきり出て、途中で切ることがなければ、肛門は汚れないようにうまくできています。
きれいに拭こうと思うのでしたら、トイレットペーパーをお水で濡らして肛門を洗うようにして、その後乾いたトイレットペーパーで拭くときれいに拭くことが出来ます。また洗浄便座であれば、軽く洗って、その後トイレットペーパーで軽く拭くといいと思います。
3)洗浄便座の水圧を強くして長時間洗う。
三つ目は、温水洗浄便座の温水を強い水圧で一生懸命に洗うことも原因になります。
どうしても洗浄便座の温水で洗浄すると、段々その水圧が強くなってしまうことがあります。あまり強い水圧で洗うと肛門に傷をつけてしまうこともあります。肛門科の先生がたと「最近、洗浄便座で強い水圧で洗って肛門に傷をつけてしまっている人がいるよね。」という会話をすることがあります。
 また肛門に温水が直接あたると温水が直腸の中に入っていくことがあります。直腸に入った温水は、後から出てきて、これが原因で肛門が汚れてしまったり、このことが原因で肛門が痒くなってしまうことがあります。
洗浄便座での洗浄はしていただいても良いのですが、あまり強い水圧で長い時間使わずに、サッと洗ってその後トイレットペーパーで拭くのがいいと思います。
4)消毒やアルコール綿などの薬で肛門を拭くこと。
四つ目は消毒液やアルコール綿など、薬の入ったもので肛門を拭くことが原因で肛囲皮膚炎になることがあります。
お風呂に入って石鹸で一生懸命洗っても、洗浄便座で一生懸命あらっても痒みが取れないと、さらに清潔にしようと消毒などをするかたもいます。消毒すると必ず皮膚炎になってしまいます。
以前皮膚科の先生にこんな話を聞きました。
「皮膚炎を治すのにいろんな軟膏を使ってみても全然良くならなかったので、患者さんに軟膏をつける時にどういう風に軟膏を付けていますか聞くと、軟膏を付ける前に消毒してから軟膏を付けていますと。この消毒が原因で皮膚炎が治らなかった。消毒を止めてもらって軟膏を付けてもらったらスッと治った。」という話です。消毒することで、やはり皮膚は具合が悪くなります。消毒はしないようにしてください。
この四つが肛囲皮膚炎の原因になります。

皮膚炎は軟膏で治します。

肛囲皮膚炎は軟膏で治します。
皮膚炎がしっかり治るまで付け続けることが大切です。
肛囲皮膚炎はすぐに症状は出ません。ある程度皮膚炎が悪くなると痒いとか、シミルとかの症状が出ます。軟膏を付けると治っていくのですが、治るときは完全に皮膚炎が治るよりも先に痒いとかシミルなどの症状が取れます。症状がなくなって治ったと思って直ぐに軟膏を付けるのを止めるとまた皮膚炎がぶり返して痒いなどの症状が出てきます。
症状が取れた時がとても大事です。直ぐにやめずに、しっかり治るまで軟膏を付け続けることが大切です。
なっこうを付けると大抵が3~4日で痒いなどの症状が取れますが、それからもしっかり軟膏を付けることが大切です。

肛門が痒い時は我慢せず受診を

私も肛囲皮膚炎になったことがあります。いつもいつも痒いわけではありません。でもお風呂に入ったり、お布団の中に入って温まったり、本来は気持ちが良くなる時に痒いという嫌な症状が出ます。
痒いという症状はとてもつらい症状です。しっかり治してしまいましょう。
「肛門が痒い!」といった症状でお悩みの方は、肛門科専門の渡邉医院(京都)でご相談下さい。
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医院情報

店舗名渡邉医院
住所 京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255
TEL075-441-4303
URLhttp://www.watanabe-arc.jp
営業時間【月~土 午前】9:00~12:00 【月・金 午後】17:00~18:00
営業日休診日 : 日曜日・祝祭日
紹介文肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。 お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。