肛門が痒くなる病気があります。肛囲皮膚炎と言います。
いつもいつも痒いわけではありません。お風呂に入ったり、お布団に入って温まったりすると痒くなります。本当はリラックスして、気持ちよくなる時に痒くなってしまいます。これは、皮膚炎がある場合、温まって血管が拡張した時などに痒みが出るからです。
痒いのは我慢できません。痛みは我慢しようと思うと何とかなることもありますが、痒みは我慢できず、掻いてしまいます。掻いてしまうことで、皮膚炎が悪化することもありますが、「痒いのを掻くな。」これは無理だと思います。早く皮膚炎を治し症状をとることが必要です。
肛囲皮膚炎は不潔にしているから痒くなるのではありません。
返って清潔にしようという思いが強い時になることがあります。
肛囲皮膚炎の原因の多いものには、
1)入浴時に石鹸でタオルで一生懸命ごしごし洗う。
痒いときに、ごしごし洗うと、気持ちは良いですが、皮膚炎は悪化してしまいます。
2)排便後に、トイレットペーパーでごしごし拭く。
あまり強くごしごし拭くと細かな傷がついたり、皮膚炎が悪化します。
3)温水洗浄便座で一生懸命洗う。
最近多い原因の一つが、この洗浄便座で強く一生懸命洗うことです。強い水圧で洗うことで、肛門に傷がつくことがあったり、直接肛門に温水があたると、温水は直腸の中に入っていきます。入った温水は後から出てきて、肛門が汚れたり、痒くなったりします。あまり強く洗浄せずに、軽く洗ってトイレットペーパーで軽くふく程度にするのがいいです。
4)消毒液などで肛門を拭く。
お風呂で一生懸命あらっても、一生懸命温水で洗浄しても痒みが取れないと、さらに清潔にと思って、消毒液などで肛門を拭いてしまう方がいます。これも皮膚炎を悪くします。
これら、四つのことなどが、肛囲皮膚炎の原因にもなります。
原因があると治っていきません。肛門に何かするといったことが、肛囲皮膚炎の原因になります。「これかな。」という原因があればまずはそれをやめて、軟膏を使っていくと肛囲皮膚炎は治っていきます。
温水洗浄便座は気持ちもいいですし、私も使っています。
でもあまり強い水圧で洗浄すると、肛門を傷つけたりすることもあります。また強い水圧で肛門に直接温水が当たると、温水は直腸のなかに入っていきます。入った温水は後から出てきて、かえって肛門が汚れたり、また肛囲皮膚炎の原因にもなります。
また排便後強い水圧で温水を肛門に充てると、直腸に温水が入ることでまた便意をもよおしてきます。そのため、もう一度頑張りたくなります。これを繰り返してしまう方もいます。
温水洗浄便座はとてもいいと思いますが、あまり強く洗浄せず、軽く洗ってトイレットペーパーで軽く拭くようにしてください。
肛囲皮膚炎は軟膏で治していきます。だいたい軟膏をつけ始めて、3~4日で痒みなどの症状がとれてくることが多いです。
でも皮膚炎は症状がとれたから治ったわけではありません。
皮膚炎が悪くなる時は、ある程度皮膚炎が進んでから、痒いとか、しみるとかいった症状がでます。でも治っていくときは、逆に皮膚炎が治る前に症状が取れてきます。症状が取れたからと言って、皮膚炎が治ったわけではありません。直ぐにやめてしまうと、またぶり返してきます。症状が取れた時が一番大切な時です。症状がとれてからも皮膚炎が治るまで、しっかり軟膏をつけることが大切です。
肛門が痒いなど、痔でお悩みの方は、肛門科専門の渡邉医院(京都)で御相談下さい。
店舗名 | 渡邉医院 |
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営業時間 | 【月~土 午前】9:00~12:00
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紹介文 | 肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。
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