肛門専門科_京都市

切れ痔(裂肛)ってどんな病気?

 切れ痔(裂肛)は肛門に傷がつく病気です。
便が硬かったり、ふとかったり。また反対に下痢のときも切れてしまいます。また全部になってしまいますが、柔らかい便でも出にくくて頑張って出したときも切れることがあります。
 症状は排便時の痛みです。出血は、傷のつき具合で、痛みだけで出血しないこともあれば、ポタポタ出血することもあります。でも傷がつくので痛みが伴います。初めは、排便時の痛みだけですが、何回も切れたり治ったりしていくうちに、排便時の痛みだけでなく、排便後痛みが持続するようになることもあります。
始めは、排便時に切れる急性裂肛ですが、繰り返すことで裂肛の外側に皮垂というシワやイボができたり、肛門内に裂肛が原因での肛門ポリープが出来ることがあります。この状態になると慢性裂肛といいます。

切れ痔(裂肛)の出来る場所は決まっていますか?

切れ痔(裂肛)の出来る場所は、だいたい決まっています。
肛門の後方(6時の方向)と前方(12時の方向)が多く切れます。これには理由があって、肛門の中で血液の流れが悪いのが後方と前方です。このため傷がつきやすく、そして治りにくく、このため肛門の前後が切れ痔(裂肛)になりやすいです。後方が80%、前方が20%程度で、後方が一番切れやすいです。

切れ痔(裂肛)はどのように悪化していきますか?

切れ痔(裂肛)は転んだ時の怪我と似ています。
転んだら怪我をしますよね。でも転ばなければ、その怪我は段々治っていきます。これと同じで、便の状態(硬いとか下痢など)が悪いと肛門に怪我、切れ痔になります。でも排便の状態が良ければ、切れ痔は治っていきます。ときどき「貴方は裂肛ですね。」と言ってしまうと、痛くなく、出血もなく、何の症状がなくても「自分は裂肛を持っているんだ。」と勘違いする方がいらっしゃいます。そうではありません。排便時に痛みがあり、出血した時が「怪我」切れ痔になったということです。痛みもなく出血もなく、なんの症状もない時は裂肛は治っているということです。
でも、いつも転んでいると怪我が治らないばかりか、段々悪くなっていきます。切れ痔も同じです。排便の状態が悪く、切れたり治ったりを繰り返していくと、切れ痔は段々悪くなり、切れやすく、治りにくくなってしまいます。

切れ痔(裂肛)の悪循環て?

切れ痔の始まりは、やはり排便の状態が悪いことから始まります。便秘で便が硬かったり、逆に下痢によって肛門の傷がつく、切れ痔になります。切れると痛みがあるため、「便をすると痛いかな。」と思うと便をするのが怖くなって、便がしたくなくなってしまいます。こうなるとさらに便の状態が悪くなってきます。こういった切れ痔(裂肛)の悪循環に陥ってしまいます。また排便時に痛みがあると、肛門の括約筋の緊張が段々強くなっていきます。痛みによって内肛門括約筋の緊張が強くなると、排便時の痛みが強くなったり、排便後、痛みのために肛門がぐっと締まってくると、この締まっている間、痛みが持続するようになります。
最初は排便時の痛みだけだったのが、肛門の緊張が強くなると、排便後の痛みが持続していくようになってしまいます。
これが切れ痔(裂肛)の悪循環です。

切れ痔(裂肛)はどのように治すのですか?

裂肛の治療の一番大事なことは、排便の状態をよくすることです。便秘の方は、緩下剤を内服して、柔らかく出るようにしたり、逆に下痢の方も柔らかく便が出るようにする。これが裂肛の治療の基本です。
裂肛に対しての治療は、痛みのために緊張が強くなってしまった、肛門の括約筋の緊張を取ってあげることが大切です。
肛門の緊張をとる方法に①軟膏をつける。②手術で緊張をとる。があります。軟膏をつける時のポイントは、肛門の括約筋の緊張を取ることが必要です。そこで、肛門の周囲に軟膏をつけ、滑りを良くした後に、少し指を入れて肛門の括約筋の緊張をとるように軟膏をつけることがいいです。言ってみれば柔軟体操のようです。柔軟体操は最初は痛いですが、しばらく続けていくと体が柔らかくなって痛みが和らいでいく。これと似ています。肛門の括約筋の緊張が取れると痛みは軽減していきます。このように、まずはなんこうでの保存的治療から始めます。ただ、軟膏による保存的治療では治っていかなかったり、皮垂や肛門ポリープなどを伴った慢性裂肛については、手術が必要になってきます。手術は肛門の緊張をとる手術をします。裂肛の手術は排便時の痛みをとることが目的です。手術をすることで、肛門の緊張がとれ、皮垂や肛門ポリープなど、裂肛の治りを悪くしているものを取り除くので、排便時の痛みが強い方ほど、手術後の排便は楽に出るようになります。

切れ痔(裂肛)は痛みを伴います。しっかり治していきましょう。

切れ痔(裂肛)は痛みを伴う病気です。しかも毎日のことです。毎日の排便時に痛みがあったり、出血があると、排便をするのが怖くなったりします。このため、ますます排便の状態が悪くなったりして、生活の質が低下してしまいます。
でも、肛門の病気は必ず症状が出ます。痛みや出血などの症状がなく、肛門の病気が悪くなっていくことはありません。必ず症状がでて、悪くなるのであれば、症状が段々強くなっていきます。
逆に言うと、何の症状が無い時は治っているんだと思って下さい。
病状に合わせて、しっかり早く治していきましょう。
裂肛でお悩みの方は、肛門科専門の渡邉医院(京都)で御相談下さい。
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医院情報

店舗名渡邉医院
住所 京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255
TEL075-441-4303
URLhttp://www.watanabe-arc.jp
営業時間【月~土 午前】9:00~12:00 【月・金 午後】17:00~18:00
営業日休診日 : 日曜日・祝祭日
紹介文肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。 お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。