渡邉医院では、輪ゴム結紮法を行う時は日帰り手術で行っています。
輪ゴム結紮法は内痔核に対しての治療方法で。内痔核の根元に輪ゴムをかけることで、血液の流れを止めて、内痔核を壊死脱落させる方法です。簡単に言うと、内痔核に行く血液の流れを輪ゴムをかけることで、遮断して血液が流れ込まないようにします。そうすると内痔核は段々腐っていき小さくなり、約2週間すると輪ゴムが取れ内痔核が治るという手術です。輪ゴムは大抵の場合は、排便時に自然に取れ、自分が気が付かないうちに取れています。場合によっては輪ゴムが取れるときに少し出血があることがあります。

輪ゴム結紮法は基本は麻酔をしなくても行うことができます。
内痔核は痛みの感じない部分にできます。ですから、この痛みの感じない部分にできる内痔核に輪ゴムをかける際は、痛みの感じない部分に輪ゴムをかけるので、麻酔をする必要がありません。ただ、肛門から約2～3㎝、肛門上皮といって皮膚の部分があります。この肛門上皮に輪ゴムがかかってしまうと痛みがでます。したがって、輪ゴム結紮法を行う場合は、肛門上皮に輪ゴムがかからないように、内痔核だけに輪ゴムをかけるようにしなければなりません。
輪ゴム結紮法を行う場合は麻酔をせずに、筒型の肛門鏡を使って、内痔核だけに輪ゴムをかけるようにします。

輪ゴム結紮法を行う時の流れですが、
1）麻酔はしません。
　内痔核は痛みを感じない部分にできるので、肛門上皮に輪ゴムがかからないようにすれば、痛みはありません。
2）筒型の肛門鏡を使って輪ゴム結紮します。
　内痔核だけに輪ゴムをかけるには、筒型の肛門鏡をを使うと輪ゴムがかけやすいです。肛門鏡を使って、肛門上皮に輪ゴムがかからないようにして輪ゴムをかけていきます。
3）麻酔をしないことと、輪ゴムをかけるだけで、傷ができないので、輪ゴム結紮した後、特に痛みや気分が悪いなどの症状がなければ輪ゴム結紮した後、直ぐに帰宅してもらっています。
　痛みや、気分が悪いなどの症状があった場合は、病室で1時間程度休んでもらってから帰宅してもらっています。

輪ゴム結紮法では、傷ができません。内痔核に輪ゴムをかけるだけなので、輪ゴム結紮法を行った当日から通常通りに入浴ができます。傷がないので、いつもと同じように入浴してもらっています。
また傷ができないので、通常通りの生活、仕事もしていただいています。
輪ゴム結紮法は麻酔をしませんので、輪ゴムをかけた時に痛みがなければ、その後痛みがでることはまずはありません。輪ゴム結紮した場合に痛みがある場合は、消炎鎮痛剤の内服をしてもらっています。

輪ゴム結紮法は手術ですが、傷ができません。また、輪ゴム結紮して内痔核が壊死脱落するまで約2週間程度かかります。
また輪ゴム結紮法は内痔核だけに輪ゴムをかけることで、痛みがありません。こういったことから、輪ゴム結紮法をおこなった後は、約2週間程度たってから、内痔核が壊死脱落しているか、輪ゴムが取れているかを確認して、輪ゴムが取れていて、また自覚症状もなく具合が良ければ治療は終了です。ですから、輪ゴム結紮法での通院は、輪ゴム結紮を行う日と約2週間後の2回ですみます。
ただ、輪ゴム結紮を行った後、痛みがでてきたとか、出血が多いなどなにか気になる点があれば、その時に受診していただきたいと思います。
また内痔核の根元を輪ゴムで結紮して内痔核を壊死脱落させる方法なので、場合によっては動脈からの出血がおきてもおかしくはありません。この場合は、頻回の下痢状の出血となります。こういった出血があった場合は24時間、時間関係なく連絡して診察を受けて下さい。いまのところ、こういった出血はありません。おそらく、あまり大きな内痔核は輪ゴム結紮できなく、輪ゴムがかけられる程度の内痔核の大きさであることが理由かなと思います。でもこういった出血がおきてもおかしくありません。その時は迷わず連絡してください。
輪ゴム結紮法は麻酔もすることなく、痛みなく内痔核を治療することができます。でも万能ではありません。大きな内痔核には輪ゴムがかけられませんし、肛門上皮の部分の腫れが強いタイプに内痔核にも適応はありません。でも、内痔核の性状をしっかり診断して輪ゴム結紮法を行うととても楽に治すことができます。
内痔核でお悩みのかたは、輪ゴム結紮法の適応があるかどうかなど、自分の内痔核に対して最善な治療方法を一緒に考え、治していきましょう。
痔でお悩みの方は、肛門科専門の京都の渡邉医院でご相談下さい。