「肛門が痒い」という症状はとてもつらい症状です。
いつもいつも痒いというわけではありません。例えばお風呂に入った後や、夜寝る時にお布団に入った時。またお酒を飲んだ時など、本来は一日の疲れをとって、リラックスする際に痒くなることがあります。これは、血管が拡張する際に痒みがでることによります。また、一端痒くなると、無性に痒くなります。どうしても痒いと掻いてしまいます。またこれが「掻いてはいけないのに掻いてしまった。」と罪悪感にかられてしまいます。
私は痒いのを我慢することは不可能だと思っています。まだ、痛いのを我慢することはできると思います。時々「掻かないでください」と言われることがあると思いますが、これはとても酷なことだと思います。まずは早くこの痒みをとるために軟膏をつけて症状をとることが必要だと思います。
肛門が痒くなる原因の一つに、「肛門を清潔にしようという思いが強い」ことがあげられると思います。
どうしても肛門は便が出るところ。清潔にしなければという気持ちが強くなることはわかります。でも極端に清潔にしようと思うと痒くなります。
痒くなる原因にはいくつかあります。多い原因は、
1)入浴した時に石鹸でタオルでごしごし洗う。
やはり清潔にしようということで、入浴時に石鹸を使ってタオルでごしごし洗うことも痒くなる原因になります。また、痒い時はごしごし洗うと、気持ちがいいです。でもこれも痒みの出る原因となります。気にはなると思いますが、お湯でさっと洗う程度にしておくことがいいと思います。石鹸でタオルでごしごし洗うことで、皮膚を守っているバリヤーを壊してしまうことになります。
2)排便後にトイレットペーパーでごしごし拭きすぎる事。
排便後もきれいにしなければと、トイレットペーパーで必要以上にごしごし拭くことも痒くなる原因になります。なかなか理想的な便がでることは難しいですが、理想的な便が出て、途中で切ることなくすっきる便がでると、肛門はそんなに汚れるところではありません。うまくできています。必要以上にごしごし拭くことは避けた方がいいと思います。気になるようでしたら、トイレットペーパーをお水なので濡らし、まずは濡れたトイレットペーパーで洗って、その後、乾いたトイレットペーパーで拭くときれいに拭けます。3)洗浄便座での温水で強く洗うこと。
洗浄便座の温水で強く洗うことも痒くなる原因になります。あまり強い水圧で肛門を洗うと、肛門に傷がついてしまうことがあります。あまり強い水圧で洗った場合、「痛い」と感じたことがあるかたもいると思います。また肛門に直接強い水圧で温水があたると、直腸内に温水が入っていきます。この入った温水が後から出てきて、かえって肛門が汚れたり、ただれて痒くなることがあります。温水洗浄便座での洗浄は使っていいと思いますが、あまり強く洗わず、軽く洗って軽く拭く程度にすることが必要です。
4)肛門を消毒液などで拭くこと。
一生懸命石鹸で洗っている煮に、一所懸命洗浄しているのに痒みが続くと、さらに清潔にと消毒液で消毒したり、アルコール綿で肛門を拭いてしまうかたがいます。これも皮膚がかゆくなったり、皮膚炎を悪くする原因になります。
こういった4つの点が肛門が痒くなる原因の多いものです。
思い当るところが有ったら、まずはこの原因を取り除いて、軟膏をつけてみて下さい。
先ほど挙げた原因をまずは気おつけていただいたうえで、皮膚炎を治す軟膏をつけて下さい。
原因を取り除き、軟膏をつけることで皮膚炎は治っていき、「痒い」という症状は軽快していきます。でも痒みがなくなったからと言って直ぐに軟膏をつけることを辞めてしまうと、また、症状がぶり返し痒くなってきます。
皮膚炎は悪くなる時は、ある程度悪くなってから痒いとか、しみるとか痛いなどという症状がでてきます。直ぐには症状はでてきません。原因を取り除き軟膏をつけると皮膚炎は治っていきますが、今度は完全に治る前に症状がとれてきます。症状がなくなったからと言って直ぐに軟膏をつけるのを止めてしまうと、皮膚炎が完全に治っていないと、また、症状がぶり返してきます。症状がとれてからもしっかり軟膏をつけて、完全に治してしまうことが大切です。なかなか自分では完全に治ったかどうかみることができません。処方された軟膏はしっかり使い切って、症状がなくても、もう一度診察を受けることが大切です。
肛門が痒いなど、痔でお悩みの方は、肛門科を専門としている京都の渡邉医院でご相談ください。
店舗名 | 渡邉医院 |
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紹介文 | 肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。
お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。 |