下剤の作用は、どんな種類の下剤も便の中に水分を残すことが目的です。便の中の水分量が70%になると、70%の水分が含まれていてもカチカチ、コロコロの硬い便になってしまいます。反対に、便の中の水分量が90%になると水様の下痢状の便になってしまいます。便の中に程よい水分が含まれることで柔らかいい便になります。下剤を正しく飲んで、便秘を治すことで、痔の予防になりますし、痔の治療にも大切です。
さて、便の中に十分に水分を残す方法が下剤の種類によって違ってきます。
さて、よく「便秘は癖になる。」と思われている下剤はセンナやアロエ、ダイオウなどの大腸を刺激する下剤です。
食べたもの、飲んだものの水分は、まずは大腸まで来ます。したがって、大腸の最初の部分は下痢状の便です。大腸の最初から硬い便になることはありません。下痢状の便は、大腸を通過していく間に、大腸の粘膜から水分が吸収されて、段々形のある便になっていきます。下痢状の便が、ゆっくりゆっくり大腸を通過していくと、大腸の粘膜から水分が吸収されていって、硬い便になってしまいます。そこで、大腸を刺激する下剤は、大腸を刺激することで、大腸を動かし、早く便を通過させ、大腸の粘膜から水分を吸収しないうちに直腸まで便を送り柔らかい便が出るようにします。
大腸を刺激するため、お腹が痛くなったり、また下痢になったりします。
また、大腸を刺激する下剤を1錠を内服して始めは具合よく出ていても、その刺激に慣れて、1錠が2錠、2錠が3錠、4錠へと増えていってしまいます。
この様に、大腸を刺激する下剤は内服し続けることで、段々その刺激に慣れ増えていってしまうことがあります。これは、便秘が頑固な便秘になってしまうことを意味します。
大腸を刺激する下剤は、慢性の便秘の人でなく、たまたま出ない一過性の便秘の人にはいいですが、慢性の便秘の人は便秘を治す下剤を正しく内服する必要があります。
酸化マグネシウムは塩類下剤の一つで、便の中に水分を残してくれる下剤です。大腸を刺激する下剤ではなく、便の中に水分を十分に含ませてくれる下剤ですので、お腹が痛くなったり、癖になったりしません。言ってみれば、慢性の便秘を治してくれる下剤です。
酸化マグネシウムは便の中に水分を残すことをする下剤ですので、酸化マグネシウムで具合よく便が出る人は、便のもとになる食物繊維は十分にとっていて、大腸は具合よく動いていて、ただ便の中に水分が足らなかったということです。ですから十分に水分をとることと同じです。
ですから、具合よく便が出る酸化マグネシウムの量を見つけ、それを続けて内服して、具合よく便が出るようにしながら十分な水分が摂れるようになれば、今度は段々、酸化マグネシウムの量を減らしていくことができます。
例えば便の中に10水分が含まれていると柔らかくていい便が出るとします。便の中の水分量が8の人は2水分が足らないので便秘になります。その足らない2を酸化マグネシウムで補うことが出来たとします。酸化マグネシウムをしっかり内服しながら水分が十分に摂れるようになって、8だった水分が9まで増えたとします。そうすると2補っていますから11になって、便の中の水分量が10を超えるので、下痢になってきます。そうしたら今内服している酸化マグネシウムを半分にしたらいいということです。いずれ水分量が10になったら、酸化マグネシウムは内服しなくてよくなります。このように、慢性の便秘の人は便秘を治す下剤を正しく内服することが大切です。
お腹スッキリレシピを紹介します。
「鶏団子のとろろスープ」
材料(4人分)1人分:111kcal
鶏ひき肉 160g
片栗粉 小さじ2
醤油、酒 各 小さじ1
白菜 葉2枚
人参 小1本
山芋 100g
鶏がらスープの素 大さじ1
酒 大さじ1
塩 適宜
作り方
①鶏ひき肉に★を加え、粘りが出るまでよく混ぜる。
②白菜は軸と葉を分け、太目の千切りにする。人参は拍子切り、山芋はすりおろしておく。
③鍋に水3カップ、鶏がらスープの素を煮立て、白菜の軸、人参を加えてひと煮たちさせる。団子状に丸めた①と酒を加え、鶏団子が浮いてきたら白菜の葉を加え、塩で味を調える。
④火を止めて、とろろを流し入れたら出来上がり!
管理栄養士さんから一言
●○栄養メモ○●
山芋には消化を助ける消化酵素が含まれています、胃腸の負担を減らしてくれるので、胃もたれや下痢の時にオススメの食材です。加熱しすぎると酵素の力が弱まってしまうので、火を止めてから最後に加えましょう。
お腹にやさしいあったかスープで、しっかりと栄養と水分を補給して下さい☆
頑固な便秘、高血圧、高血糖などでお困りの方、食生活を見直してみませんか?一人一人に合った食事のとり方をアドバイスします。まずはお気軽に肛門科、渡邉医院(京都)にご相談ください。
店舗名 | 渡邉医院 |
住所 |
京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255 |
TEL | 075-441-4303 |
URL | http://www.watanabe-arc.jp |
営業時間 | 【月~土 午前】9:00~12:00
【月・金 午後】17:00~18:00 |
営業日 | 休診日 : 日曜日・祝祭日 |
紹介文 | 肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。
お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。 |