便秘と裂肛の関係を調べてみました。
裂肛は便が硬かったり、反対に下痢だったり、柔らかいけれども頑張らなければ出なかった時などに、肛門の皮膚の部分、肛門上皮に傷がついて痛みや出血する病気です。
特に便秘で硬い便が出た時に裂肛になります。症状は排便時の痛みや、次第に裂肛が悪化していくと、排便後も痛みが持続するようになります。また切れたり治ったりすることで、裂肛の外側に皮垂といって皮膚のシワが出来たり、また、肛門ポリープができ、慢性裂肛にもなります。
裂肛の治療法の基本は便が具合よく出るようにする便の調整が大切です。
そこで、裂肛と便秘の関係を調べてみました。
平成7年12月から平成24年4月までに診察した25928人の患者さんで便秘と裂肛の関係を調べてみました。
便秘症の患者さんは3196人(男性1093人、女性2103人で平均年齢は56.9歳)裂肛(切れ痔)の患者さんは4823人(男性1919人、
女性2904人、平均年齢43.1歳)また裂肛(切れ痔)の手術をした人は1480人(男性549人、女性1480人、平均年齢42.1歳)でした。
またそれぞれの患者さんを男女別に年齢別に9群に分けて調べました。
便秘症例では、男性対女性は1対1.9と女性は男性のほぼ2倍でした。また、男性では年齢とともに増加しH群でピークであったのに対して、女性では、二峰性となり、C、D群20代30代でまず最初のピークを認め、それ以降は男性と同様に年齢とともに増加し、H群で二つ目のピークを認めました。
裂肛症例では男性対女性は1対1.5と女性に多く認めました。男女ともほぼ同じ傾向を認め、男性ではD群、30歳代にピークを認め、女性ではC群、20歳代にピークを認めました。
裂肛手術症例では男性対女性は1対2.7と女性に多く認めました。裂肛症例と同様にC群、20歳代にピークがあり、年齢とともに漸減しました。男性では、E群40歳代にピークを認め、年齢と共に漸減しました。
裂肛症例と手術症例を比較すると、女性では裂肛症例と手術症例のピークは一致して20歳代にピークがあるのに対して、男性では手術症例がE群40歳代とピークがややずれる傾向を認めました。
便秘症例と裂肛症例及び手術症例を比較してみると、女性ではC、D群で便秘症例、裂肛症例、手術症例が一致するものの、それ以外では、男女とも年齢とともに便秘症例が増加するものの、裂肛症例、手術症例と一致しませんでした。
まとめですが、
便秘に関しては、女性のC群、D群を除くと男女とも年齢とともに便秘症例は増加しました。このことは、加齢とともに腸管の蠕動運動の低下や、食事の摂取量、運動量の減少など、男女ともに共通した原因によるものと思われ、女性のC群、D群での便秘症のピークを認めるのは、女性特有の原因だと考えます。黄体ホルモンなどによる原因や、出産、子育てなどの社会的な影響もあると考えます。
また便秘と裂肛の関係をみると、女性のC群、D群を除いて、年齢とともに便秘症例は増加していくのに対して、裂肛症例、手術症例は増加せず一致しません。このことは、裂肛の原因を考えるうえで、便秘だけでなく内肛門括約筋の緊張の強さなどの要因も含めて考えていく必要があると考えます。内肛門括約筋の緊張は若い人ほど強く、年齢とともに緩くなる傾向があります。このことも便秘だけでなく、裂肛の要因になると思います。このことからも、若い女性で、便秘の人が裂肛になり易いことになります。
お腹スッキリレシピを紹介します。
「和風ロールキャベツ」
材料(2人分)1人分:232kcal 食物繊維 3.5g
キャベツ 1玉
しいたけ 2個
にんじん 20g
鶏ひき肉 200g
だし汁 300cc
薄口醤油 小さじ2
塩 少々
みりん 小さじ1
片栗粉 小さじ1~
作り方
①しいたけ、にんじんはみじん切りにし、炒めて冷ましておく。
②キャベツは芯をくり抜き、たっぷりのお湯で丸ごと茹でる。葉を1枚ずつはがし、軸の太い部分はそぎ落として葉の厚みを均一にする。
③ボウルにひき肉、醤油小さじ2、酒小さじ1、塩コショウ少々を入れてよく練る。①を加えてさらに練り、6等分にして俵型にまとめる。
④鍋に★を入れてひと煮たちさせる。
⑤キャベツの葉を2枚重ねて③を包み込む。④の鍋に隙間なくきっちりと詰め、20分程煮込む。
⑥水溶き片栗粉を回し入れ、煮汁にとろみがついたら出来上がり!
管理栄養士さんから一言
●○栄養メモ○●
野菜には便通を良くする食物繊維が多く含まれています。たっぷりの野菜をとる
コツは、加熱してかさを減らすこと、メインのおかずに野菜を使うことです。
煮込み料理や鍋物はオススメの調理法!ぜひお試しください♪
頑固な便秘、高血圧、高血糖などでお困りの方、食生活を見直してみませんか?一人一人に合った食事のとり方をアドバイスします。まずはお気軽に肛門科、渡邉医院(京都)にご相談ください。
店舗名 | 渡邉医院 |
住所 |
京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255 |
TEL | 075-441-4303 |
URL | http://www.watanabe-arc.jp |
営業時間 | 【月~土 午前】9:00~12:00
【月・金 午後】17:00~18:00 |
営業日 | 休診日 : 日曜日・祝祭日 |
紹介文 | 肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。
お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。 |