パリのアトリエから生まれたオートクチュールのスクールのオンラインレッスン

Elieux Creative School
(エリュークリエイティブスクール)

2016年、パリのアトリエから生まれたオートクチュールの技術を身につける事が出来るスクールが東京にオープンし、オンラインレッスンを開始しました。
スクールの特徴のひとつは「フランスのオートクチュール、デザイン、刺繍技術を学ぶ職業訓練ができる」という事です。
今回は、スクールのオンラインレッスンの様子ををレポートいたします。

アトリエの現場では大きな枠を使用、オンラインではどんな場所でも使える小さい枠を

アトリエで使用されている刺繡枠(写真:クレールの刺繡より)
洋服の全面に刺繡をする事が出来るように作られた、大きな机の様なサイズの刺繍枠もあります。

スクールでは様々な技法を小さなモチーフに細分化した課題を準備し、どこでも使用でき持ち運びやすい刺繍枠で進めます。

最初は基本のステッチの練習からスタートし、少しずつ高度なテクニックの課題に取り組んでいくかリュキュラムです。1年間の間に、自然に手を慣らて無理なく確実に刺繡技術を磨いていくカリュキュラムが準備されていました。

オンラインレッスンで学ぶ技術

物づくりは、直接手つきや手もとを見て学ぶことが求められます。オンラインレッスンでは、それができるのでしょうか?

レッスンではカメラをかなり近づけたデモンストレーションやマン対面のやり取りが多く見られました。受講生の感想を聞いてみると、
「他の人の質問も参考になることがありますが、それが聞けないのは残念」
「クラス全員で受講する直接レッスンよりも、マンツーマン度が高い感じがする。」
「みんなの前で聞きにくかったことも気軽に質問できる」
「直接レッスンの方が、いろんな角度から見れたのが良かったです。ただ、オンラインは講義で見ていた距離よりもかなり近くで見えるので思ったより分かりやすい」
「意外とオンラインの方が、コミュニケーションの意識を持たなければならないので、集中度が高いかもしれない」
との事でした。
雪の結晶の刺繡(試験課題)  イニシャルの応用自由課題    芸術表現としての刺繡課題
ビーズ刺繡の基礎課題     ドレスへのビーズ刺繡の課題    ビーズの応用自由課題

オートクチュールの世界

オートクチュールは、フランスの伝統的な高級注文服の仕立て技術です。その中でも特に華やかで豊かな表現力をもたらす技術がリュネビル法というビーズやスパンコールの刺繡です。(写真左:スパンコール刺繡の立体的なフラワーモチーフ)
この技術は19世紀にフランスのリュネビルという街で生まれ、今もなお受け継がれています。ファッションの最先端といわれるパリオートクチュールコレクションで発表されるシャネルやディオールなどの洋服に施されてきた伝統的な技術です。デザイナーのアイデアと共にブロイダー(刺繡師)の技術やクリエイティビティが磨かれて洗練されてきた「芸術」ともいわれる技術です。
写真↑:パリのアトリエで仕立てられたモナコ王妃ご成婚時のカクテルドレス。

オートクチュール刺繡

Elieuxのクリエイティブスクールのスペシャリストコースでは、オートクチュールのリュビネル法の刺繍を学ぶことが出来ます。
リュネビル法もフランスの伝統的な刺繍技術で、クロシェという特殊なかぎ針を使ってスパンコールやビーズを布の裏側から刺繍していく特殊な方法を用います。
こうした一つ一つの細かい技術がオートクチュールのデザインをより一層引き立てるものとなります。