今週のレッスンでは、最初に1ヶ月後の試験の練習をしその後、芸術表現としてクリムトの絵画の刺繡が行われました。
試験の練習は、フランス刺繡のクロシェ(かぎ針)を使用し、イニシャルの刺繡を時間内に仕上げていく模擬試験です。終了後に細かなポイントや仕上がりの確認があり、「スピードを意識しながらも、滑らかなラインが描けてきています。繰り返していく事で、手も慣れて来ますので、毎日少しでも練習を続けていきましょう。」ということでした。
試験ではイニシャルの1文字が出題されますが、自宅でびっしりと一面に練習されていた方もいました。
その後、クリムトの絵画表現の課題が進められました。
課題の説明:
「この課題では、細やかなステッチの色の陰影の美しさや流れる様な曲線美から芸術的な刺繡表現をめざします。」
「最初に濃い色の刺繡をしていき、その間に明るい色の刺繡をしていきます。肌の部分などはステッチを用いながらも線を描くというより面を描くような滑らかさを出していきます。(それぞれの表現法は授業内で実演していきます。)一つ一つステッチを進めるたびに色の配合やバランスを確認していきます。ステッチというラインでもってどれだけ柔らかな表現をする事が出来るかがポイントです。」
「柔らかさや暖かいニュアンスはルサージュ(フランスの老舗の刺繡アトリエ)でも「愛情の物語」と言われるように、情熱や気持ち、心が映し出していくものも大きいでしょう。」
線で描かれるステッチが様々な色合いの糸で埋められ、絵としてカタチになっていきます。糸の色が混ざり合って、グラデーションの色使いに立体感が出てきました。一針一針、丁寧に向き合い進めていかれる皆さんの姿が印象的でした。
ルサージュのアトリエのシェフの言葉なども紹介されてました。
「愛情の物語‥‥ルサージュではノウハウを伝え様々なテクニックを身につけ、さらにおのおのの個性的な想像力を発揮する機会を手にしていただきたい。刺繡芸術に対する情熱をあなたと分かち合いたいと思います。」
Madame Catherine gove (カトリーヌ・グヴ‥‥2002年シャネルがメゾンルサージュを買収時から刺繡の芸術指導を託される)
しっとりとした肌の質感や身体のしなやかなライン、骨格なども意識して刺繡されていました。色の配合やバランスも考慮し、何度もステッチを重ねる‥‥。
刺繡芸術としての作品制作を通じて基本となるステッチの技術面もしっかりと磨かれていくようでした。
間もなく完成の様です。
映像:
●リュネビル法の刺繡 0:00 - 1:30
●オートクチュールとは? 1:30 - 2:40
●作品紹介 2:40 - 3:50