いちばんの違いは、アメリカでは九九は覚えません。表を見て答えを探します。九九は単なる暗記ではなく、量感覚の基本ですから、日本に比べれば算数脳を鍛えることに対して意識が低い文化をもっています。
アメリカの算数教育は日本より州によっては数年遅れているとも言われ、実際に最新のOECDの発表では、世界の小学生の算数力で日本は5位(ゆとり教育前は1位)。アメリカはなんと35位。
英語は大人が思うより、子供は苦労しながら自然にしっかり身につけていくもの。ただ、算数は教育がものをいいます。
しかも、中学受験をめざす日本の小学生たちが学ぶ「受験算数」は学校準拠の範囲ではありません。現地校はもちろん補習校では教えない、高度で「おもしろい」内容です。受験をめざして勉強した子とそうでない子の算数脳の発育レベルの大きな開きがでます。
日本国内では、どの町にもさまざまな進学塾が乱立し、優秀な講師を選ぶこともできますが、海外では選択肢は限られる。なにせ送り迎えも大変で、せっかくアメリカにいるのに駐在家庭のお子さまは、土日も宿題三昧で親子ともども疲弊という方がとても多いのです。