ゼロカートラブル店主が勝手に語るクルマのウンチクシリーズ

ご覧いただきありがとうございます。
このページでは大阪のちょっと変わった中古車販売店であるゼロカートラブルの店主である三上が好き勝手にクルマのウンチク語らせて頂きます。
欧州車とボルボ240について興味があって「まあ、読んでやらんこともない・・・」と言う心優しい奇特なお方がいらっしゃったら是非ご覧頂けましたら幸いです。
それでは、早速ですが始めさせて頂きます。

ボルボ240ってどんなクルマ?

ボルボ240シリーズ。
このクルマはご存じの方も多いと思うけれど、北欧はスウェーデンが生み出した20世紀の佳作名車の一つである。
その歴史を紐解けば1960年代の「164/144」シリーズまで遡り、その後1974年にその原型たる200シリーズに進化して最終的には1993年まで生産されたというボルボにとっても自動車の歴史的にも実にロングセラーな一台だった。
また、「ボルボは安全」というイメージや「ボルボは頑丈」と言うイメージを決定付けたクルマでもあり過去には「ボルボと電柱がぶつかって折れるのは電柱のほう」など様々な都市伝説を生み出したクルマでもある。
で、今回はそんなボルボ240の少しばかりのウンチクや実際に故障するのかどうか?或いは乗ってどうなのか?といったことについて書いていきたいと思う。

とにかく頑丈な設計と構造、そして意外な一面。

ボルボ240と言うクルマは有名な話かもしれないけれど、然るべきウイークポイントにさえ配慮すればとにかく頑丈で長持ちするクルマだ。
現在中古車で流通しているクルマでも20万キロを超えている個体が平然と店頭に並んでそれなりのプライスタグをぶら下げているあたりからしてもそれは伺い知る事ができると思う。要は基本設計と構造が頑丈故に、そのくらいの距離でもフツーに平気で走っちゃうって事(笑)

で、そんなボルボ240に搭載されるエンジンはボルボが古くから使い続けているB230と言うSOHCのシンプルな2.3リッターの4気筒の一本勝負。(細かいこと言うと往事はPRV製の6気筒積んだモデルがあったとかどうこうなるけれどここでは割愛)
そのB230はキーを捻ってエンジンを始動したところでサウンドにはまったく色気もなく、また吹け上がりも笑っちゃうくらいに鈍重なフィーリングでエンジンそのものの設計や走りに関してはエキゾチックなフィーリングなんてどこ吹く風と言わんばかりで実直そのもの。
エンジンにおいてのキャラクターで言えば丁度往時のアルファロメオあたりと真逆の天体に属するタイプだ。
足回りだってソフトでコーナーリングなんかでもきっちりとロールするタイプ。
ただ、不思議と粘り腰でコーナーリングしていくし取り付け剛性の高さと多めに採られたストロークのお陰で不整路や傷んだアスファルトの上を走らせても驚くほどにストレスフリーで巡行できる所もこのクルマの一つの美点だと思う。
実は鈍重に感じるエンジンフィールも雪道での急発進によるスリップやアクセルとブレーキの踏み間違いに考慮したボルボらしい安全思想に起因するもの。
アクセルペダルもスロットルボディーにダブルでスプリングが掛けられていてわざと重く作ってあるのだ。
ただ、決して速い車では無い(と、言うかむしろ遅い)けれど、なんだか無農薬野菜食べてるようなオーガニックな心地よさがある健康的なフィーリングで「質実剛健」って言葉はまさにこのエンジンのために用意された言葉なんじゃないか?って思ってしまうくらいだ(笑)

あと、余談だけれど現在主流である三点式シートベルトというものを発明したのはボルボだ。
彼らは、三点式シートベルトを開発して特許を取った後、他のメーカーに対して「使用に際して特許料は不要」とした。
「自分たちのクルマだけが安全になっても意味がない。我々が欲しいモノは利益ではなく一人でも多くの交通事故からの生存者の命である」と・・・。
なんとも心温まるボルボらしい素敵なエピソードだ。
また、そんなボルボだけにクルマの設計もユーザーフレンドリーで、万が一タイミングベルト切れてもバルブクラッシュしないし(要はエンジンが壊れない。通常はタイミングベルトが切れたらエンジン損傷で大きな出費を強いられることとなる)エンジンルームにスペースのゆとりが多いので整備性も良く、壊れたとしても修理しやすいので修理時の工賃も控えめなことが多い。
あと、こんな古いクルマにしては珍しくパーツも豊富で安価な社外品が簡単に入手できる所も維持していく上では嬉しいポイントだ。

また、「頑丈で安全」という事が売りのメーカーながら1980年代にはレース用にフルチューンされた200シリーズがレースで大暴れした経緯も併せ持つ。
ヨーロッパのツーリングカー選手権で連覇したりなんて言うの平気でやってのけたし、日本でもインターテックと言う耐久レースに出場して2位の日産スカイラインを7週遅れにしたと言う冗談みたいなエピソードを持つ。
まるで「普段や優しいやつを怒らせたらとんでもない事になった」と言わんばかりのエピソードだ。
それで、そんなこんなで普段「安全」を売りにしているメーカーが「スポーティーな走り」を看板に掲げているメーカーを抑えて、挙句の果てに連戦連勝みたいな大活躍をしちゃったものだから彼らは240のことを皮肉交じりに「フライングブリック(空飛ぶレンガ)」と揶揄した。
彼らは内心バカにしてそう言ったつもりだったのだろうけれど、ボルボファンの中ではそれは200シリ-ズの誇りの象徴として表現されることが多い。
そして、かくいう僕もその一人だ・・・。

で、実際の所乗るとどうなのか?

ここまで書いてお解りの通り、ボルボ240と言うクルマはとても良いクルマだ。
信頼性も高く輸入車の初心者や古い車の初心者にもオススメしやすい一台だといえる。
ただ、古い車なのでウイークポイントがまったくないわけなではないので「カッコいいから乗りたい」というだけの軽い気持ちで手を出すとうっかり火傷しかねないということも忘れてはならない。
ここでボルボ240と言うクルマの良いところと悪いところを書いていきたいと思う。

まず、いきなり暗い話から始めるのでなんなので良いところから書いてみようと思う。
先程から何度も書いたとおりで基本構成としては素晴らしいまでに頑丈だ。
B230と言うエンジンはそれこそエンジン単体なら100万キロを有に超えるレベルの耐久性だし、(ちなみに、乗用車の走行距離のギネス記録は1960年代のボルボP1800でその距離なんと470万キロ)搭載されるミッションも耐久性に定評のあるアイシン(トヨタ)製の機械式4速だ。
また、輸入車でよく故障するポイントであるパワーウインドウも滅多なことじゃ壊れないし集中ドアロックあたりの電装系も古い割にはなぜかあまり壊れない。
また、雪国であるスウェーデン出身の車両ということもあってか錆にも強く同時期の国産車と比べてもい耐久性が高いといえる。
ただ、逆に設計年次特有の傾向だったり経年劣化だったりでウイークポイントも少なからずある。
まず、これはウイークポイントという訳ではないものの消耗品としてタイミングベルトがあげられる。
概ね6万キロサイクルで交換していれば問題ないのだけれど履歴がわからないクルマだったり交換から8年を経過している場合であれば交換した方が望ましい。
また、ラジエター自体もそろそろ寿命を迎えているケースが多く、水漏れするだけなら良いのだけれどATFの冷却ラインの樹脂パイプが割れてしまうと被害がミッションにまで及んでしまうので転ばぬ先の杖として対策したいところだ。
また、定番箇所としてエンジン停止に繋がるパーツで言えばクランク角センサーや燃料ポンプリレーなどがあげられる。
これは比較的安価なパーツなので購入するならぜひ交換しておきたいところだ。
後は、クルマのコンディション次第だけれどマフラーの穴空きなど年式故の経年劣化にも注意したいところだ。
それと、比較的劣化しやすいヒューズが熱を持つ事が原因で起こってしまうトラブルもしばしばなのでそのあたりもカー用品店などで売っているものではないので予め予備を積んで置くなど対策はしておきたいところだ。
また、内外装においても基本設計が1960年代で最終モデルでも1993年という事もあって、それ故に逃れられない経年劣化があることも理解しておかなければならない。
ダッシュボードの割れは定番だし、樹脂パーツのちょっとした劣化や割れ欠け、或いは元々の精算精度に起因するチリ合わせや立て付けの粗さなどは「ご愛嬌」として受け入れねばならないクルマでもある。

240と言うクルマの総評

ここまで話してお解り頂けたかと思うけれど、240と言うクルマは基本的には頑丈で壊れなくて長持ちするクルマということをご理解いただけたかと思う。
ただ、先にも書いたとおりでやはり旧車特有の経年劣化や輸入車特有のウイークポイントも少なからずは存在する。
なので、「クルマなんていつでも動いて当たり前、故障するクルマなんて欠陥品だ!」と思うような方にはお薦めはできない。
そういう方はこういうクルマはあきらめて、国産車の新車のディーラーを幾つか回ればお望みのサービスと品質が享受出来るのでそちらの方が絶対にストレスが溜まらないと思う。
ただ、そうは言ってウイークポイントに手を入れさえすれば毎日の通勤に使えるレベルの信頼性も備えているし、エアコン・パワステ・パワーウインドウもついているので贅沢言わなければ21世紀の日常での使い勝手も問題なく、ファミリーカーとしても十分に活躍させることの出来るポテンシャルを持つクルマでもある。
なので、「古い車だから少しばかりの手間暇はかかるかもしれないけれど、できれば愛着持って可能な限り長く乗っていきたい」とクルマの持つ感覚に寄り添える様な人だったりすると本当に健気に働いてくれる最高の相棒になりうる車だと思う。
正直、維持費だってこの手のクルマや輸入車の中では本当に控えめで維持がしやすいクルマだ。
なので「乗ってみたいけれど故障が怖くて迷ってる」というような人がもし居るなら僕は堂々と背中を押してあげたいクルマだ。
店舗名0CARTROUBLE(ゼロカートラブル)
住所 〒551-0031
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TEL06-6533-5045 *営業時間外は携帯へどうぞ 090-5040-2794
URLhttp://www.zero-cartrouble.com/
営業時間11:00~20:00
営業日無休
最寄駅大正駅
アクセス大正駅 徒歩10分
紹介文「せっかくクルマに乗るんだったら楽しい方がいい」 クルマなんてただの移動の道具かもしれません。けど、もしその道具が最高の相棒ならどこに行くのも最高に楽しくなります。 お気に入りの洋服や家具を選ぶようにお気に入りのクルマを選んでみると、ただの移動の道具のはずだったクルマが人生にちょっとばかりの彩りを添えてくれる素敵な相棒になってくれるかもしれません。当店では「チープアップ」をキーワードに楽しいクルマをご提案させていただくことが大好きです。 ゼロカートラブルではそんなあなたの最高の相棒探しをお手伝いさせて頂きます。外車は壊れるからって無責任なものを勧めたりはしません。大事なのは車種などの選び方なんです。勿論、在庫車以外からも探せます。 あなたにとってぴったりな相棒をご紹介させて頂きます。車に詳しい友達感覚でお気軽に電話して下さい。