お医者さんの保険診療のように、一定化、標準化、画一化をしていないのが、専門職(弁護士・司法書士)の報酬です。
専門職の報酬は、お医者さんに例えれば「自由診療」状態で、専門職の「言い値」で報酬が決まってしまいます。
そうすると、消費者である依頼者にとって、いかに「リーズナブルな報酬」で、しかも「優秀な専門職」と契約できるかが重要関心事であるといえましょう。
しかし、「リーズナブルな報酬」が一体いくらなのかは、消費者(依頼者)には全く不明です。
実は、専門職(弁護士、司法書士)にとっても、一義的に決まるものではありません。
また、個々の専門職の実力も、一般の方には、外見で判断することができません。
この点、個々の医者の実力も同様です。
もっとも、地域の大病院に優秀な医者がいるだろうと推測することはできます。
ところが、法律の専門職については、大手だから、有名だからといって、優秀な専門職がいるだろうとはいえないのです。
それは、大学病院にあたるような公的機関が、法律の世界には存在しないからです。
法律の世界は、全くの自由競争の世界なのです。
債務整理において、業者(借入れ先)に対する交渉力は、個々の専門職の実力により相応の差があって、業者側に「ランク付け」がされているはずです。
しかし、医者の世界のように、個々の専門職の実力をランク付けができる信頼を置ける公的機関は存在しません。
報酬が高いからといって優秀な専門職とは限りませんし、安いからといって平凡な専門職とは限りません。
また、ネット上、コマーシャル上、有名な事務所が優秀であるとの根拠は全く存在しません。単に宣伝費・コマーシャル料に多額の費用をかけているだけのことです。
あなたの家のすぐ近所に事務所を構える専門職が実は凄腕の専門職の可能性だってありえます。
ちなみに、そのホームページの記載をみて、「お主、なかなか腕が立つな!」と私が考えるのは、例えば以下の専門職です。
八下田法律事務所
債務整理は、個々の案件によって考慮すべきことが複雑ですから、専門職の実力は大変重要です。
専門職の実力によって、業者への今後の返済額が大幅に異なる可能性があります。さらには方針を誤られる可能性すら存在します。
では、消費者(依頼者)は、一体、どうすべきでしょうか?
一つは、建築などの請負契約でよくあるように「相見積もり」を取ることです。
つまり、複数の専門職に相談して、ズバリ「一体、あなたの報酬はいくらなの?」と訊くことです。
どこの専門職も、相手方の交渉事ですから、当然ながら、結果の保証はしないでしょう。
しかし、さらに「今後の見通しはどうなの?アバウトでいいから教えて」と確認することがさらに重要です。
優秀な専門職なら、あなたの様々な質問に、「今聴いた事情を前提に判断すると、私の意見ですが、・・・すべきだと考えます。これは、緊急性があるから、・・・すべきです、急ぎましょう。」と親身になって相談に乗ってくれるはずです。
そうして、聴き取った「報酬」「今後の見込み」「親身になってくれたか」「そもそもこの人を信頼できるか」を元に、自己責任で、どこの専門職に依頼するのか判断していただく必要があります。
あなたがガンになってしまった場合、どこの医者でも同じだろうと即決するでしょうか?
命を預けるのですから、いろいろ情報を集めて信頼できる医者を探すことでしょう。
任意整理、ましてや自己破産するなど一生に一度あるかないかの一大事です。
返済が苦しいからといって、また、よく分からないからといって、十分に考慮することなく、「どこに依頼しても結果は同じだろう」と安易に専門職と契約するのはどうかと思います。
今後の人生に影響を及ぼしかねない重大事です。
親身になって相談に乗ってくれる、信頼できる専門職をよくよく探してください。