おすすめの食事!イベリコ編 エルスウェーニョ

ステーキは大きめのアンダーソーサーの上の熱せられた白い皿の上で、こげ茶色のソースがジューと音を立てていた。
このソースは江野がイベリコ生ハムの骨を一週間かけて煮込んでつくるオリジナルだ。
ナイフでステーキの肉を切ると厚みのある肉はうっすらとピンク色を漂わせる白い色で
ちょうど火がとおって焼きすぎない絶妙の焼き加減だ。
イベリコ豚はイベリア種というスペイン原産の黒豚だ。
野生の獣の香りをもつ。
現代の無味無臭の肉とは別物のような味だ。豚肉なので生ではいけない。焼きすぎても硬くなる。

スペインやポルトガルのあるイベリア半島。
イベリア半島産の黒い大きい豚をイベリコと呼ぶ。
ハモン・イベリコ・デ・ベジョータと称する。
ハモンは後ろ足のことを指すがもともと美味を意味する。
ベジョータはどんぐりなど木の実のこと。
スペインの山の牧場で放し飼いにされ、木の実やハーブを食べて育つ。
そして生ハムとして三年間の熟成を経て、完成する。いや人工的飼料をいっさい食べないからこそ、三年間の熟成に耐えうるのだ。
イベリコは生き、あのようにしてハモンイベリコに生まれ変わるのだ。
それがこの味、このおいしさなのだ。