このページではとよだ疊店五代目店主がホームページに書ききれない事を掘り下げてお伝えしています。良ければホームページもご覧くださいね。

お客さんに畳の事実を伝える為、毎年熊本に赴きい草を勉強しています。

い草」聞いたことはあるけど素性は知らない。そんな方が殆どでは無いでしょうか。とよだ疊店は明治時代から代々畳屋で、僕は中学生の頃から手伝いしてきましたが、い草の事を本当に知ったのは35歳でした。
自分の手でい草の苗を植えて、雑草抜いて、先刈りして…。と、経験して初めて「ちょっと知る」事が出来たと思ってます。

い草の収穫までの流れを簡単に言うと11〜12月の寒い時期に苗を植えます。2月頃までは殆ど上に伸びないですが、その寒さが着実に根を張る重要なポイントになります(逆に暖冬だと根が伸びず不作になる)。そして5月頃、膝上ぐらいまで伸びたい草(苗がそのまま伸びた草)の成長を止める為先刈りします(膝下ぐらいまで)。

ん?なぜ伸びたのに刈るの?と思いますよね。実はと言うと、要は苗そのものは母体で、新たに発芽した「新芽こそが主役」になるのです。そして彼等が心身共にベストコンディションの7月頃にいよいよ刈り取りします。
日の当たり方や一本一本の個性により長さがバラバラに刈り取られますが、背の高い優等生の順番に一番抜き、二番抜き、三番、四番、等外品(安物)へと農家の熟練された目によってクラス分け(格付け)されて行きます。
等外品は、母体だった一度刈り取られた短い草と、発芽したての短い草がミックスされたクラスで、色も太さもバラバラな為織り上がりが凹凸多く、日焼けも茶色が目立ちます。(中国製は青系塗料で吹付け塗装するので逆に不自然な程キレイに見える)

因みに、2000〜3000円で張替えできます‼︎という類のお店はその値段ならほぼ間違いなく中国製ですが、それはもはや普通の事みたいです。
安物安物を求める時代のせいですね。(当店は正規国産専門店で中国産や偽装品は扱って無い為8000円からとなっております)

豊中は良く行かせて頂いてます。天然い草に拘り快適生活にしてみませんか?

畳のご先祖様は昔々の奈良時代、聖武天皇が愛用されていた「御床(ごしょう)」が第1号です。乾燥させた真菰(まこも)で菰(こも)を作り、今で言う敷布団の様な物を木のベッドに敷いて使われていました。昔からい草は「神聖なる物」真菰は「ホーリープラント」とされ、とんでもなく位の高い方しか使用されない凄い草達だった様です。現代でも天皇即位の儀式などにも使われます。余談ですが当店真菰も育てています。真菰は浄化作用が有り、黒穂菌が宿る事で出来るマコモダケは食べれますし、真菰を乾燥させ、焙煎する事でマコモ茶にもなります(麦茶でもなくほうじ茶でもなく…初めて味わった友達ん家のお茶みたいに不思議な感覚を覚える癖のない美味しいお茶です)

話を戻すと、そんな神聖ない草も、神様が座る御座、僧侶が座る二畳台(置き畳)、ようやく室町時代で部屋に敷き詰められ、庶民の家に一般化するのは明治時代になってからでした。
本当に昔から「畳」は日本の文化として外せない床材として残ってきました。では何故畳なのでしょう?
他の敷物でも良かった筈です。
これには日本特有の「高音多湿」の環境であった為と考えられます。
畳は一帖あたり超大量の「藁」と5000〜8000本の「い草」で出来ています。
これらは素晴らしい調湿作用があるのは皆さんご存知と思います。
湿気が強い時は一帖に500mlもの水分を吸収し、天気が良いとゆっくり時間をかけて水分を放出して行きます。
いわば自然のエアコンです。
障子、襖、そして畳。
全て先人達により高温多湿の日本をどう快適にするか考え抜かれた調湿のとれた代物だったのです。

国産い草は身体にも環境にも優しい聖なる植物。だから私達もい草に優しい思いやりを。

い草の快適性は上で述べましたが、一つ弱点があります。
それが「飽和状態時に発生するカビ」です。
畳も無限に湿気を吸収する事は出来ません。溢れた湿気は表面に留まり、温度が高いとカビが発生します。これは、家全体の調湿が取れてない為に起こるものです。
近年畳の部屋も減り、あっても一部屋という家が多くなっています。となれば、当然その一部屋に湿気は集中します。悲しい事に、カビが原因で畳の部屋をフローリングに変える家も何回も聞きました。家中の湿気を吸ってくれようとしているのに、その悲鳴に気付かず、カビた原因を畳のせいにされ捨てられるのは本当に畳屋として無念でなりません。
昔は、家も敢えて隙間風が入るように作られたり、畳の部屋も3〜4部屋が当たり前で湿気も分散され、さらには人の掃除意識が高かった為カビは発生しませんでした。
ところが、畳離れの近年の家作りは機密性を高める傾向があり、考え無しに隙間を埋めるリフォームも増え(湿気の溜まる一階なのに畳の床下をベニアで埋め尽くす等)、益々カビる方向へ家作りが変わってきました。

い草は足触りも柔らかで、消臭効果も有り、ホルムアルデヒドも吸着して、香りは学力アップの効果が有るなど、もぅ本当に優れた物なのです。

裸足で、草の上で生活してる日本人って凄いと思いませんか?(学術的にはい草は「花枝」なので花の上ですが…それはそれで凄いよね!)

もっと日本の暮らしに工夫を入れて畳で快適に過ごして見ませんか?
むしっとする日はエアコンで除湿!プラス扇風機!がカビを予防する最強コンビ技です。
ここでは語り切れない畳の事に興味がある素敵な方はぜひとよだ疊店へご相談くださいね!
国産 い草 とよだ疊店
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