宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)とは

宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受けた者のこと。

宅地建物取引士は、一定以上の知識・経験を持つ者として公的に認められた者である。

宅地建物取引業法に基づき定められている国家資格者であり、宅地建物取引業者(不動産会社)が行う、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務(重要事項の説明等)を行う、不動産取引法務の専門家である。

宅地建物取引士制度

宅地建物取引士制度は、高額かつ権利関係も複雑な不動産取引を扱う宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業法に基づいて行う国家試験に合格し、不動産に関する専門知識を有する宅地建物取引士を設置し、宅地建物取引士による重要事項説明の義務を課すもので、これにより知識の乏しい購入者等が、取引上の過誤によって不測の損害を被ることを防止することを目的としている。

その為、宅地建物取引業者は常に取引に宅地建物取引士を関与させ、責任の所在を明らかにして、購入者から説明を求められた時、何時でも適切な説明をなし得る態勢を整えさせ、公正な取引を成立させることに努めなければならない。

宅地建物取引業者は宅地又は建物の売買、交換または賃貸借の契約が成立するまでの間に、取引の相手方に対し一定の重要事項について宅地建物取引士による重要事項説明書の交付と説明をなす義務があり、これが宅地建物取引士の最も重要な職務である。

この重要事項説明書の交付と説明に当たり、宅地建物取引士が説明義務を果たさず、相手方に損害を与えたときは、単に宅建業者のみでなく宅地建物取引士個人も共同不法行為者として損害賠償の責任を負う。

この場合、宅地建物取引士の説明義務違反行為は「宅地建物取引士として行う事務に関し不正又は著しく不当な行為」(宅地建物取引業法68条1項3号)に当たり違法行為となるからである。

宅地建物取引士の専権業務

宅地及び建物の取引に際しては、権利関係が複雑で、法令上の制限も多いほか、契約の取引条件も複雑かつ取引価額も高額であることから、業務の運営の適正性や宅地建物取引の公正性を確保するため、宅地建物取引に関して専門的かつ広範な知識を有する宅地建物取引士の設置を義務付けている。

また、重要事項説明は、宅地建物取引についての経験や知識の乏しい消費者が、契約対象物件や取引条件について十分理解しないままに契約を締結し、後日、契約目的を達成できず不測の損害を被るといった状況を防ぐため、契約締結の判断に重大な影響を与える事項について宅地建物取引士に説明させることを義務付けたものである。

不動産業の業務には、専門知識を備えた宅地建物取引士にしかできない「独占業務」があります。
以下に挙げた3つの独占業務は、たとえ不動産会社の社長であっても、宅地建物取引士の資格を持っていない限り行うことはできません。
重要事項の説明宅地建物取引士は契約取引において、宅地建物取引業者の相手方に対して、物件と契約上重要な事項を記載した書面(重要事項説明書)を交付して説明を行うことができる。
重要事項説明書への記名・押印宅地建物取引士は、重要事項説明書には説明を要する重要事項を記載しなければならず、重要事項説明書に記載されている内容に誤りがないかを確認すると共に、重要事項の説明に対して責任の所在を明らかにする為、また文書の改竄防止・文書の原本性確保の為、書面は、宅地建物取引士が、記名押印して交付しなければならないとされている。
契約内容記載書への記名・押印
宅地建物取引士は契約について、契約書として交付する書面には、代金または借賃の額、その支払方法、引き渡しの時期など法律に定める主要な契約内容(売買・交換の場合と賃貸借の場合とで異なる)を記載されている内容に誤りがないかを確認すると共に、契約内容に対する責任の所在を明らかにする為、また文書の改竄防止・文書の原本性確保の為に、宅地建物取引士が記名押印しなければならない。

宅地建物取引業者は契約締結後遅滞なく、契約の両当事者に対して、宅地建物取引士の記名・押印がある書面を交付によって満たすことができる。