1854年、鞄職人のルイ・ヴィトンはパリのヴァンドーム広場に旅行鞄の専門店を開きます。初代ルイ・ヴィトンは才能にもめぐまれ、フランス皇室からも注文を受けるまでになります。その後、33歳の時に独立します。
当時は輸送機関が発達し始めたばかりでした。ルイはその当時流行していた蓋の丸い旅行鞄を作ることからはじめます。ただ、彼が一般的な職人とは違ったのは、その先見の明でした。これからの時代は船や機関車での移動が主流になることを予測した彼は、丸い蓋を平たい蓋にしてしまいます。そうすることによって鞄をどんどん積み重ねて移動させることができるようになるからです。
こうした発想力はその後も発揮し続けます。それは日本とも深く関わりのある、デザインについてです。それは、今ではヴィトンの代名詞ともいえるあの「モノグラム」です。これは当時ヨーロッパ中を席巻していたジャポニズムの影響で、とくに日本の「家紋」のデザイン性に感化されて生まれた模様でした。日本文化の影響により「トアル・ダミエ」を創造したこともすでに有名なエピソードとなっています。こちらは日本の市松模様から着想を得たデザインといわれています。
ナポレオン3世やニコライ2世をはじめ、世界中の名だたる名士たちが愛用したトランクはもちろん、その技術を継承するバッグや財布などの小物類、さらにはプレタポルテにシューズ、時計、ジュエリー、フレグランス、ステーショナリーに至るまで、ルイ・ヴィトンが生み出す一流の品質は、時代を超えて多くの人々に支持され、愛され続けています。
ブランドのバッグやお財布といわれて、まず最初にヴィトンが頭に浮かんでくる人は多いのではないでしょうか。実はヴィトンは日本と密接にかかわりがあり、日本人にもなじみやすいデザインなのかもしれませんね。
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