なぜ、鍼灸師柔整師で「必殺」シリーズの考察を行っているのか!?

僕は、東京都新宿区神楽坂近くの住宅地にある鍼灸整骨院で院長をしている野坂俊史と申します。
鍼灸師、柔道整復師の国家資格を有しております。

※写真は、時代劇「必殺」シリーズを意識したものではありませんよ(笑)刺絡の時などに用いる、「吸角」という東洋医学的な施術の一つです!

なぜ、僕が時代劇「必殺仕事人」シリーズの考察を行っているかという理由は2つあります。※シリーズによって仕業人や仕掛人など呼び名が変わりますが、分かりやすいように「仕事人」と書いております。

1つは、ただ純粋に「必殺」シリーズが好きだからです。
初めて見たのは中学生の時でおばあちゃんと一緒に見てました。中学生の頃というとナイーブになりやすかったり、様々な悩みも多くありましたが、自分よりもよっぽど追い詰められたしんどい立場の人もいるんだなと思って元気を出したり、主役の「中村主水さん」の姿を見て勇気をもらってました。

2つめは、主にYouTubeで考察を行っていますが、「必殺」シリーズの考察を通じて見た方がもっとご自身の身体の事を大切に思って頂き、健康意識が向上してほしい、そしてそのような方が増えて怪我や病気になる方が減って欲しいという思いからです。

国家資格を取ってから改めて「必殺」シリーズを見て見ると、人体急所や身体の大切な中枢器官、人体の仕組みなどかなり体の事についての描写が多い事に気付きました。それらをなるべく解りやすく考察しして、かみ砕いてお伝えする。それにより、見て下さった方が少しでも健康に気を付けようと考えて欲しいと思っています。

人間の身体の大切さ、弱さ、強さ、素晴らしさを知ってもらいたい!

主に、YouTubeを通じて考察を行っています。

「必殺」シリーズの殺陣は、心臓を握りつぶす、背骨を外すなど危険な技が多いです。でも、それらは実現不可能なものがほとんどです。これは制作者サイドで、一般の方が真似できないようにあえてそのような演出にしているそうです。

僕が、必殺シリーズの殺陣の考察をやり始めた時にそれを偶然見た父親に、物騒だからやめろと、言われました。確かにそれはあります…。なるべく動画でも言葉を慎重に選んで喋っています。言葉を選んで喋ってもやはり人体急所や内臓、中枢器官など専門的で人体におけるいわば弱点を解説しているわけです。

ある種、鍼灸柔整師である僕のイメージダウンにつながる行為でもありますが、それ以上に身体の緻密さや大切さを同時に伝えています。

人間の身体には確かに弱点はあります。デリケートで弱いです。でもその弱点は必ず、一筋縄では到達しない位置にあり守られています。人間の身体は弱くもありますが、様々な防御機構があり強くもあるのです。

大切な中枢器官や神経、血管、内臓、それらを守るための筋肉や骨格を我々人間は持っています。その素晴らしさを少しでも感じて頂き、より身体の事を大切にして頂きたいと思っております。

僕が皆様にお伝えしたいことは、「人間の身体の大切さ、弱さ、強さ、素晴らしさ」です!

僕と同じ資格の医療系仕事人① 鍼師 藤枝 梅安

必殺シリーズの記念すべき第一弾は、池波正太郎さんが書かれた「仕掛人 藤枝梅安」を時代劇にした「必殺仕掛人」です。
緒形拳さんが演じていました。

梅安は、江戸の街ではかなり腕がいい鍼師という設定です。
梅安の鍼法には、江戸時代に実在した杉山 和一という鍼灸師が考案した「管鍼法」の演出が用いられています。これは、そのまま鍼を刺す中国鍼と違って、鍼をストローのような管に入れて優しく少しずつ刺していくという方法です。刺入の際の痛みが少ないという事や、鍼と管(鍼管という)を使った様々な手技があるのが特徴です。

あと、梅安の鍼の特徴としては浅刺しという事です。…まあ鍼師の資格がない緒形拳さんは鍼を刺せないためそのような演出になっているのですが(笑)

鍼を深く刺すことで、その鍼刺激により深部の特殊な侵害受容器が興奮して軸索反射が起こり、血流促進、それによる鎮痛作用や免疫力向上、自律神経に作用するというのが鍼治療のメカニズムです。しかし、鍼は浅く経穴(ツボ)に刺すだけでも十分効果はあるとされています。皮膚表面に適切な刺激を加える事で侵害受容器を興奮させることが出来るという事が微小筋電図計を用いた検査で証明されています。その事は鍼灸理論の教科書にも載っています。

昔の時代は、衛生環境や消毒設備なども十分ではなかっただろうし、感染症の観念や認識も今と比べて薄かったことでしょうから鍼治療をするにも浅刺しに越したことはないと思います。

鍼灸治療の効果はWHOでも認められています。決してオカルトではありません。プラシーボ効果や祈祷のような漠然としたものではなく、どこの部位に刺激を与える事でどのような反応が現れてどこに作用するかといういわば人体の科学ともいえるのではないかと思います。

投薬がまだ未発達だったと思われる江戸時代などの昔の日本では、鍼灸治療で内臓や自律神経系、筋肉に作用して症状を緩和するのに大いに役立っていた事と思われます。

劇中で梅安が、死んだ人間を鍼で生き返らせたり、鍼を刺して一瞬で眠らせたり、記憶を消したりなど様々なとんでもないシーンが登場しますが、どれも出来ませんので安心して下さい(笑)

僕と同じ資格の医療系仕事人② 灸師 やいとや又右衛門

必殺シリーズ第7弾「必殺仕業人」には大出俊さんが演じる、やいとや又右衛門というキャラクターが出てきます。

又右衛門は灸師です。灸師と鍼師の国家試験は同時に行われますが、実は一つ一つ独立した国家資格です。国家試験で灸師は受かっても鍼師が落ちたというケースもあったりします。

又右衛門は裏の仕事で、鋭い焼いた針を相手の前頭骨に刺すという技を使いますが、表の仕事の臨床において鍼治療をしているシーンがないんですね。
さらに「やいと」と言う言葉は「お灸」を指しますので、又右衛門は恐らく灸師なんだと思います。
江戸時代に鍼灸師の国家試験はたぶんなかったと思いますので、試験に落ちたとかそうゆう理由ではないと思いますが…(笑)

お灸は上の写真にもあるように様々な形態があります。温熱刺激の他に薬効も付与するショウガや、ニンニク、塩などを介してお灸を据える隔物灸、燃やし切って熱い刺激を与える透熱灸など。その他、膿を出す打膿灸、焼灼灸というとても熱い灸法もあります。

お灸というと温かいイメージがあると思います。しかし、温熱刺激を加えて温める効果だけではないんですね。
米粒、もしくはその半分くらいの大きさのモグサを急所の上に載せて焼く。その時につーーーんというか、熱い!!と一瞬感じます。その痛圧刺激が自律神経に作用すると考えられています。

人間の身体は、チクっとする刺激や熱い!という痛圧刺激が加わるとリラックスの神経が優位になるという反射があります。
それを利用して、リラックスの神経即ち副交感神経と言いますが、要は自律神経に作用します。それにより内臓運動活性化、血管拡張、ホルモンバランスの調整、代謝や免疫力アップなどの効果が見込めます。

江戸時代などの昔の時代は家の壁も薄かったろうし、栄養状態も決して良くはなかったと思います。なので、市井の方々は風邪を引きやすかったり、お風呂も家にない世帯も多かっただろうし冷えやすかったと思います。なにも保証や保険もない世の中で、体調を壊したら働けなくなりますので日々生きていくのに本当に必死だったと思います。
そのような中で又右衛門は定期的に長屋に赴き、灸治療を施したりもしていました。無料でお灸を行う日も設けていたりもしてました。

まあ、フィクションではありますがこのような事はさぞ喜ばれた事でしょう。
風邪を引くまい、病に倒れまい!と、気を張ってキツイ環境で懸命に生きていた方々からすると、お灸治療は免疫力を高めてリラックスできるとてもよい療法だったと言えるでしょう。

僕と同じ資格の医療系仕事人③ 柔道整復師 念仏の鉄

必殺シリーズ第2弾、「必殺仕置人」第10弾「新 必殺仕置人」から山崎勉さん演じる念仏の鉄というキャラクターがいます。

念仏の鉄はとても人気があり印象的で、ご存知の方も多いと思います。
鉄は、江戸の長屋で「ほねつぎ」の仕事をしています。「ほねつぎ」は漢字にすると「骨接ぎ」となり、骨折や脱臼、捻挫、打撲、挫傷を治すための仕事です。今でいう国家資格の柔道整復師です。要は、整骨院の院長ですね。

裏の仕事では、敵のあらゆる関節、背骨や頚骨を外して敵を戦闘不能にするという技を使います。
これは、いくら国家資格者で人体の知識があっても絶対できませんので安心してください。
なぜならば、関節を外すというのは並大抵の事ではできないからです。関節は、強靭な靭帯や筋肉、その他支持組織によって守られています。「関節を外す」という事を専門的にいうと「脱臼」となりますが、スポーツの現場においても捻挫や骨折は多くても実は脱臼は非常に少ないのです。

受症者が力を抜くタイミングと脱臼しやすい体勢でいる事、そこにとても絶妙ないいタイミングでテコの作用で大きな力が合わさるというような形で、そこまでのタイミングと条件が揃わないとなかなか脱臼は起こらないのです。
※病的脱臼、反復性脱臼は除く。

ただ、完全にフィクションの世界ではあっても鉄のように手関節や肩関節など、様々な関節を一瞬で外すことが出来るというのは熟練したテクニックや経験が必要になりますが、何よりも筋肉骨格器系についての深い理解と勉強が必須です。
鉄はもともと僧侶でもあるという設定ですので、人生のどこかで高い集中力と強い向学心を持って人体の勉強をしていたのかもしれませんね(笑)

劇中のある話では、仲間の中村主水さんがあらぬ疑いをかけられ、鉄が主水さんの肩を外して動けないようにしたり、それを自ら整復(外れた関節を元に戻す)したりしてました。その後、ボロボロになりながらも腕を動かして敵を主水さんは倒すわけですが、実際初回の肩関節脱臼の場合はそうはいきません。普通肩の関節が一度外れたら関節を守っている周辺の軟部組織が痛んでいる状態ですのでとても痛いです。それを回復させるために、最低でも3週間、長くて6週間近く固定しなくてはなりません。

それを何回も繰り返すことにより関節を守っている靭帯などの軟部組織が緩んでしまい、反復性脱臼といって少しの外力で関節が外れてしまうようになってしまいます。さらに慣れている方ならば、自分で整復(脱臼を元に戻す)することができるようになったりします。

ただ、現代における実際の外来の現場で脱臼の患者様がいらっしゃった際、脱臼の他にその患部や周辺で骨折も合併している場合があったりします。さらには痛みが強すぎて、脱臼を元に戻す整復動作すらできない状態があります。そのような場合は、設備が整っている病院でレントゲンを撮ってしっかり精査した上で、麻酔を打って整復する場合があります。

なので江戸時代などの昔の時代や、はたまた戦国時代など戦の現場などで脱臼や骨折が起こった際にはレントゲンや麻酔などもないため、とてもとても受傷された方は大変だったろうな…と強く思います…!
そういった中で、フィクションとはいえスムーズに且正確にあらゆる関節を外したり戻したりできる鉄はすごいなと思います!


YouTube動画の一部を紹介!

棺桶の錠。亜門穴、延髄について。

念仏の鉄。脊柱、脊髄損傷について。

やいとや又右衛門。脳の機能と局在について。

村雨の大吉。心臓と心電図について。

やいとや又右衛門が正中神経を損傷すると即、仕業人引退においこまれます…。

いくらなんでもやりすぎ!?ブラ平の火吹き。熱傷について。

仕事人達の職業病シリーズ。延髄系の仕事人達が懸念すべき疾患とは!?

知らぬ顔の半兵衛。血管とショック症状について。

非主水シリーズにおいて、最強はどのグループか!?

畷左門。人間二つ折りについて。

アホな事やってんなコイツ!くらいの軽い気持ちでご覧下さい(笑)楽しんで頂けたら幸いです!!

もう一度いいます!僕の目的は、より多くの方に人間の身体の大切さ、弱さ、強さ、素晴らしさを知って頂く事です!!

これをご覧頂いた全ての方の人生が、より健康的で素晴らしいものになりますように!!

野坂 俊史

神楽坂 東五軒町鍼灸整骨院 院長
鍼灸師 柔道整復師 免許

昭和60年11月4日生まれ。青森県八戸市出身。
臨床家歴10年以上。鍼灸整骨院、大手エステサロン、出張マッサージ店、整形外科で勤務したのち、2015年に東京都新宿区で開業。

あらゆる「動かすと痛い」症状改善の手技を研究し実践している。
筋膜にアプローチする「ひっぱりんこちゃん療法」
深部の筋肉にアプローチする「俺式 然等尺性収縮法」
日々の負担に負けない身体を作る「Dance Music体幹トレーニング」を独自に創始。
脳神経外科医の長田 裕先生に師事し、自律神経調整の「無血刺絡療法」を会得する。

ホンマルラジオ出演、チバテレビ出演の経験あり。

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