肛門専門科_京都市

お尻が腫れて痛い!

「お尻が腫れて痛い!」という症状でこられる患者さんがいます。
待合室でも、椅子に座ることもできずに立っている患者さんがいます。たいてい場合は男性の患者さんです。
お尻が腫れて痛い症状がでる多くの場合は肛門周囲膿瘍という病気のことが多いです。肛門周囲膿瘍は男性の方に多く、渡邉医院では約10対1の割合で男性に多いです。
肛門周囲膿瘍は肛門腺に細菌感染を起こして膿がたまって、段々広がっていく病気です。何もないところに何かがたまるだけでも痛みがでます。ましてや膿が広がっていくのですからなおさら痛いです。肛門腺に感染を起こすきっかけは、やはり排便の状態です。下痢のことが多く、しかも、忙しかった寝不足だったとか自分の抵抗力が落ちている場合に炎症が広がり膿がたまっていきます。
肛門周囲膿瘍は急激に痛みがでて、腫れて膿が広がっていきます。肛門周囲膿瘍の場合はすぐに切開して排膿する必要があります。

膿を出すとスッと楽になります。

肛門周囲膿瘍をそのまま放っておくと、どんどん膿が広がっていき痛みが強くなります。また化膿しているので、38度以上の熱がでることもあります。
肛門周囲膿瘍の場合はすぐに切開して膿を出す必要があります。
切開して膿を出すことで痛みはスッと取れてきます。
渡邉医院では、局所麻酔をして切開して排膿をします。手術の体勢は左を下にして横になる左側臥位で行います。

切開排膿は日帰り手術。

肛門周囲膿瘍に対して切開して膿を出す手術は日帰り手術で入院の必要はありまあせん。
局所麻酔をして切開して膿を出します。大体5分程度で終わります。
たまっていた膿を出すので、切開して膿が出ることでスッと痛みはとれてきます。
でも切開して排膿してすぐに帰宅して、出血がると困るので、切開した後、病室で1時間程度安静にしてもらいます。
1時間たって、切開した部分からの出血がないかどうかを確認してから帰宅してもらいます。麻酔も局所麻酔ですので、1時間たつともう切れています。麻酔が完全にきれた状態で帰宅してもらいます。この時点で、痛みはほぼ取れています。
出血さえなければ、通常通りの生活、仕事をしてもらっています。通常の生活を送ってもらうことで、残った膿も出てくれます。
来院時の痛みはとれて楽になって帰宅してもらいます。

切開後は通常の生活を。

切開して排膿をした後、1時間後の診察で出血がなければ通常通りの生活を送ってもらいます。痛みもとれるので、仕事も大丈夫です。
1)入浴
入浴は、次の日からは通常通りに入ってもらいます。当日はシャワーは可能です。入浴することで、切った傷口から細菌が入って化膿するということはありません。反対に傷を洗い流すことが出来るので、傷の具合そのものもよくなります。
2)アルコール
切開して排膿したあと、抗生剤を5日間内服してもらいます。この抗生剤を内服している5日間はアルコールを飲むことはやめてもらっています。それ以降は大丈夫です。
3)食事
食事も制限はありません。通常通りにしていただけます。
刺激物はダメと思っている方がいますが、あまり気にせず、食べたいものを美味しく食べていただけばいいです。
4)切開排膿後の内服薬
切開排膿後は抗生剤と消炎鎮痛剤を5日間内服してもらっています。抗生剤は残った細菌をやっつけるために5日間内服してもらいます。消炎鎮痛剤は痛みだけでなく、炎症もとってくれるので、傷の治りも良くしてくれます。痛みがなくなっても傷の炎症をとるために5日間内服してもらっています。

切開後の通院は2回。

切開後の通院は2回です。
肛門周囲膿瘍に対して切開して排膿した後の通院ですが、
1)切開排膿した次の日(術後1日目)
切開した次の日は受診してもらっています。切開後の傷の具合や十分に膿が出ているか。痛みなどの症状が軽快しているか。を診察させてもらっています。
2)次は約2週間後
術後1日目の後は、特に痛みが強くなる、出血が多い、それ以外にも気になることがあればその都度受診してもらっています。そうでなければ、約2週間後に受診してもらっています。この時点でなんの症状もなければ、一応診察は終了となります。
渡邉医院では切開排膿後、約70%の患者さんはその後何の症状もなくなりますが、約30%の患者さんは痔瘻になることがあります。この場合は、その後の経過を診ながら、痔瘻に対しての痔瘻根治術をすることになります。

肛門周囲膿瘍の後は痔瘻になるの?

「肛門周囲膿瘍の後は痔瘻になるの?」
肛門周囲膿瘍に対して切開して膿を出した後、必ず痔瘻になると思っている方がいますが、そうではありません。
渡邉医院で切開して排膿した患者さんの70%は、その後何の症状もなく過ごされます。肛門周囲膿瘍の後は必ず痔瘻になるわけではありません。
ただ、肛門腺の炎症をおこし、化膿した原因があるので、また炎症をおこして膿が体に広がっていくのは困ります。そこで、人間の体はうまくできていて、炎症をおこしても膿が体に広がっていかないように、原因と切開して膿を出したところとの間に硬い管、瘻管を作ります。もしまた炎症をおこして化膿しても、この硬い瘻管をとおして体の外に膿を出すようにしてくれます。でも、痛みがなくても、膿が出たり治まったりを繰り返すのは嫌な症状です。このように嫌な症状が出た時に病名が付き、痔瘻となります。また、切開した部分がふさがり、また炎症をおこして膿が広がることもあります。こういった症状が出た時には、痔瘻となり、痔瘻を完全にスッキリ治すのには、痔瘻根治術が必要になります。
でも、肛門周囲膿瘍の後に必ず痔瘻になるわけではありません。
渡邉医院でも先ほどお話ししたように、70%の患者さんはその後何の症状もでません。
「お尻が腫れて痛い!」という症状が出た場合は肛門周囲膿瘍のことが多いです。こういった症状が出た時は、直ぐに肛門科を受診してください。また痔瘻に関しても肛門科専門の渡邉医院(京都)ご相談下さい。
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医院情報

店舗名渡邉医院
住所 京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255
TEL075-441-4303
URLhttp://www.watanabe-arc.jp
営業時間【月~土 午前】9:00~12:00 【月・金 午後】17:00~18:00
営業日休診日 : 日曜日・祝祭日
紹介文肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。 お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。