肛門専門科_京都市

内痔核に対して痔核根治術を日帰り手術で行うこともあります。

排便時に出血したり、内痔核が外に出てきて中に押し込まなければならない第Ⅲ度以上の内痔核(痔)に対しての治療には、輪ゴム結紮法やジオンによる四段階注射法による痔核硬化療法(ALTA療法)や痔核根治術があります。輪ゴム結紮法は入院の必要はなく、全て日帰り手術で行っています。ALTA療法や痔核根治術は基本は1泊以上の入院での治療を行っています。
ただ、内痔核の状態や患者さんの状況などで、患者さんと相談して日帰り手術を渡邉医院(京都)では行っています。
痔核根治術はどんな内痔核に対しても対応できるオールマイティな手術方法です。ただ、内痔核を剥離して、内痔核の根元にある動脈を縛って切除するので、術後の出血が起きる可能性や排便時の痛みがあります。手術後の経過や術後気負付けてほしい事など、手術や手術後の経過、出血があった場合などの対応などをしっかりお話しして、理解していただいたうえで、日帰り手術を行うことがあります。

日帰り手術を行う上で、術後の出血、痛みが重要なポイントです。

 内痔核に対しての痔核根治術は局所麻酔で行います。
 手術の際の痛みをとることと、肛門の緊張をとって内痔核の根元までしっかり見えるように麻酔をしてからの手術です。
 手術は左側臥位(左を下にして横になる体勢)で行います。
 内痔核を剥離して、内痔核の根元のある動脈を糸でしっかり縛って、出血しないようにしてから内痔核を切除します。1カ所の内痔核を手術するのに約10分程度です。内痔核ができやすい場所は3箇所あります。3箇所全部手術しても約30分で手術は終わります。
 その後は、病室で3時間ほど安静にしてもらいます。
 術後3時間後に出血がないか、麻酔が完全に切れた状態での痛みの程度を確認して帰宅していただきます。

術後の痛みについて

渡邉医院では痔核根治術は局所麻酔で行います。したがって麻酔は1時間たつときれます。
この麻酔がきれてくる際に、肛門が締まってきます。この時、この肛門の締まりが痛みの一つの原因になります。この肛門の緊張をとることで痛みは楽になります。そこで、手術の際に局所麻酔が終わった後、手術を始める前に肛門鏡を使って肛門の緊張を十分にとることをしています。また手術後直後に痛み止めの座薬を入れます。
1時間後にまずは出血がないかを確認します。その時に、痛みがあってもなくても痛み止めの内服をしていただきます。
1時間後に出血がなければ、次は3時間後の具合をみます。
3時間後は、完全に麻酔はきれています。局所麻酔はもって1時間です。完全に麻酔がきれた状態をみます。この3時間後にもう一度痛みがあってもなくても痛み止めの座薬を入れます。
痛みは完全に麻酔がきれた方が楽になります。麻酔がきれてくる際に肛門が締まってくる際に痛みがでます。完全に麻酔がきれると、この緊張もとれます。
よく患者さんにこういう風に説明します。
「正座して足が痺れたとき、痺れがとれてくるときは絶対に触って欲しくないでしょ。完全に痺れがとれたら大丈夫でしょ。」と。
肛門の手術に関しては、局所麻酔が完全にきれた方が楽になります。
3時間後の診察が終わって帰宅してからは、痛み止めの内服を、痛みがあってもなくても、夕食後、寝る前、次の日の朝食後の3回内服してもらっています。
大抵の場合、このように痛み止めの座薬を入れたり内服してもらうことで痛みを抑えることが出来ます。
術後3日間は痛みがあってもなくても痛み止めの内服をしてもらっています。その後は、排便時など、痛みがあるときに頓服で痛み止めの内服をしてもらっています。
どうしても傷が出来るので排便時の痛みはありますが、術後7~10日間を過ぎると、96.5%の方がスッと排便時の痛みがとれてきます。

術後の出血について

手術後一番の問題は、術後の出血です。
もう一度麻酔をして出血を止めなければならない出血には二つあります。それは早期出血と晩期出血です。
1)早期出血:
早期出血は手術して24時間以内に起きる出血のことを言います。でも大抵の場合は、手術して3時間以内に出血は起きます。手術をしたきずからの出血であったり、内痔核の根元の動脈をしばったりしたした部分からの出血です。この出血がおきる可能性があるため、手術をした後、3時間たってから出血がないかどうかを確認します。この3時間までの出血がなければその後は、晩期出血が起きる7~10日目までは、もう一度麻酔をして出血を止めなければならない出血はしばらくありません。
2)晩期出血:
晩期出血は手術をした後、7~10日目に起きることがあります。内痔核の根元にある動脈を縛ったところからの出血です。渡邉医院ではこの晩期出血の頻度は1%程度です。
でも動脈を縛ったところからの出血なので、出血を止める必要があります。動脈を縛ったところからの出血なので、段々血が直腸にたまり、便がしたい感じ、下痢をしたような感じになります。便がしたくなってトイレに行った時に、ある程度たまった血が下痢状にでてきます。それが頻回になります。排便時にポタポタとか、パッと血が出たり、便に血が付くという出血でなく、下痢状の出血です。ですから晩期出血は必ずトイレで起きます。
この晩期出血が起きた時は、24時間、時間関係なく直ぐに渡邉医院に連絡して診察に来ていただいています。
この二つの出血が起きることがあるので、このことに関しては、しっかりと理解していただいています。

日帰り手術はしっかり相談して決めましょう。

内痔核に対しての痔核根治術を日帰り手術で行う場合は、やはり、術後の出血と痛みに関して理解していただいたうえで決めています。
基本は入院での治療を日帰りで手術する。入院されている場合は何かあった場合はすぐに対応することが出来ます。日帰り手術ですと、私たちの目の届かないところに帰られることになります。
自宅に帰られても出血などを心配されることが無いように手術を行い、術後3時間たってもう一度診察をして安心して帰っていただくようにしています。ただ、帰宅後、出血等なにか心配なことがあれば、いつでも連絡がつこように体制をとっています。
内痔核でお悩みのかた、また、痔核根治術を日帰り手術で行おうと考えておられるかたは、肛門科専門の京都の渡邉医院でご相談下さい。自分の内痔核に対して最善な治療方法を一緒に考え、治していきましょう。
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医院情報

店舗名渡邉医院
住所 京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル竪亀屋町255
TEL075-441-4303
URLhttp://www.watanabe-arc.jp
営業時間【月~土 午前】9:00~12:00 【月・金 午後】17:00~18:00
営業日休診日 : 日曜日・祝祭日
紹介文肛門疾患に特化した、肛門科専門の19床の入院設備のある有床診療所です。外来の診察だけでなく、入院での手術・治療が可能です。年間約3,000人の新患の患者さんが受診されています。排便時の出血、痔核の脱出、痛み、かゆみなど肛門に係る不快な症状でお悩みのかたの治療を行っています。また、肛門疾患の原因でもある便秘の相談、治療も行っています。手術の件数は、月平均約50件、年間約600例です。肛門の三大疾患といわれている内痔核が50%、痔瘻が15%、裂肛が13%で、その他に外痔核が13%、その他9%の割合になっています。 お尻のことで悩み事があれば、ご相談ください。