Candysmile farm

1.企業概要

2016年6月、厚木市に無肥料・減農薬・葉取らず・樹上完熟で栽培される安心・安全の青森県平川市広船の「もひかん林檎」をインターネットで通販する会社を立ち上げる。

2018年1月より、みかんの聖地と言われる愛媛県中島の有機肥料・減農薬の「瀬戸内柑橘プロの柑橘類」を販売開始する。

2018年10月よりEM農法・無農薬の秋田県鹿角市の末広ファーム「あきたこまち」を販売する。

企業理念は「健康を届ける」である。できるだけ農薬を使わない農作物を、健康志向の強いご家庭に生産者の栽培方法をHP等で可視化して、経営理念を伝え、インターネット通販による産地直送の新鮮な作物を迅速にお届けすることである。




2.顧客ニーズと市場の動向

 日本における農産物の顧客ニーズは虫食いのない外見がきれいで、甘い、大きい物が好まれる傾向があった。そのため、JAは慣行栽培として農薬の規定回数の使用を生産者に求めている。その結果、狭い国土で生産される農産物の農薬使用量は世界でもトップクラスとなり、近年、農薬や化学肥料の大量使用が問題視されるようになった。

その問題が広がるに伴い、消費者は安心・安全な農産物を求めるようになり、顧客の関心は有機肥料栽培や減農薬、無農薬に向いてきている。環境意識の高まりとともに消費者の健康志向はますます高まるはずである。




3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み

林檎 無肥料・減農薬

  柑橘 有機栽培・減農薬

  米  EM農法・減農薬

◆提供するサービスの強み

1)これらの安心・安全で新鮮な農産物を販売する事ができる。

2)インターネットによる受注、発注で、産地直送で迅速に消費者に届けることができる。

3)健康志向の強い顧客のニーズを生みだす。

◆取り扱い商品の特徴

1)無肥料、減農薬の林檎

日本のリンゴは明治以来の品種改良によって甘く、大きくなったが、病虫害に弱い果実になった。そのため、慣行栽培では、多農薬、多肥料により、リンゴの残留農薬の多さが問題となっている。このような栽培方法に疑問を抱いた青森県平川市の工藤久明氏は、徒長枝に独自の切上げ剪定し、樹勢を維持し、無肥料、減農薬の林檎を栽培することに成功した。その安心・安全なリンゴをもひかん林檎と名付けた。(枝が立っているために、樹形がモヒカン刈りのように見える)多肥料・多農薬栽培の三分の一しか収穫できないが、安心、安全な林檎を栽培するという信条を曲げることなく生産している。

2)完熟させた堆肥と減農薬によるミカン

愛媛県中島は三つ太陽(直射日光、石垣からの反射光、海からの反射光)で育ち、急坂の段々畑の島は「みかんの聖地」と言われていた。しかし、過疎化により松山市JAに合併され、他地域の柑橘類と一緒に「中島みかん」として販売されるようになってしまった為、ブランドの価値が減じ、販売量の低下を招いている。瀬戸内柑橘プロの柑橘類は、完熟させた堆肥と減農薬で栽培し、特選品の減収という問題を抱えながら安心、安全な柑橘類生産をしている。

3)無農薬、EM農法のコメ

「蛍とメダカの住む田んぼ」というキャッチフレーズで売り出す無農薬、EM農法の秋田県鹿角市の農事組合法人末広ファームの「あきたこまち」はコメ作りの大敵である雑草に対して除草機という手押し車で対応し、無農薬で栽培する。この農法も収穫量が多肥料、多農薬の二分の一になるが、安心・安全な米づくりのために邁進している。

健康志向の強い顧客は、これらの安心・安全で、美味しい新鮮な農産物を求めている。生産者が家庭に直送することにより、流通の中間業者が省かれるために、生産者の販売価格は高く、顧客は安くこれらの農産物を購入できる。農業にとって減農薬は課題であるが、生産力向上には結びつかないが、減農薬や有機栽培、EM栽培は化学薬品によるアレルギーや体調不良に悩む消費者にメリットをもたらす。

◆提供する商品・サービスの強みをさらに高めるための課題

(1)知名度・信用度をさらに高める。

(2)より新鮮な商品をより迅速に届けるための、注文から発送までの合理化。、

(3)四季を通じて販売する商品の品ぞろえ。

 農産物は収穫時期が異なるので、1年を通して提供できるものは少ない。経営の安定のために季節ごとに提供できる商品のラインナップを揃えることも課題である。


4.経営方針・目標と今後のプラン

1)減農薬、無肥料、有機肥料、EM農法などの安心・安全で美味しい農産物を生産者直送で迅速(注文から1週間以内)に家庭に届ける(リンゴや柑橘類などは、生産者から小売りの店にでるまで、最低2~3週間は時間が経過している。)

2)生産者の顔や栽培方法がHP等で可視化して、顧客に安心感を与え、信頼を高める。

3)2017年度から始めた果樹のオーナー制を広げ、固定客を増やす。

4)農産物は収穫時期が異なるので、1年を通して提供できる品揃えをする。